図1に「設備保全システムの概要」を示しました。また、この保全部門の業務を大きく分けると、「検査」「修理」「技術」「管理」の業務に分けることができます。
保全業務の概略は以上の通りですが、次に、これらの業務の詳細について説明します。
「検査」の主な業務には、以下の項目があります。
設備保全を実施する場合に重要なことは、機械設備類の現状把握を行うことです。設備がどのような状態で稼働しているのか、機能や構成部品類の劣化状態はどのような状況なのかなどを把握するため、日常点検、定期点検、巡回点検により調査して、その記録に基づいて修理計画を立案します。
「検査」は、その設備が修理限界に達しているのかどうかを発見し、最も経済的に修理を行う時期を決定しなければなりませんので、専門の機械設備の検査員による特別の検査を必要とする場合も当然ながらありますが、一般的に、検査は特に経験を積んだ造詣の深い、技術力の優れたベテラン検査員により行われます。
検査周期を決めることは難しい問題ですが、劣化曲線や故障統計などの統計資料、経験者の意見などを参考にして暫定的に検査周期を求めておいて、実績によって徐々に修正していくようにする方法が多く行われます。
検査に際しては、検査作業標準書に沿って行われ、結果は検査記録表に記載しておくようにしなければなりません。“記録”はできるだけ簡単な記号で表現します。また、検査記録表に対象設備が滅却されるまで保存されるように、あらかじめシッカリしたルールを決めておくことが肝要です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.