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» 2022年05月12日 08時00分 公開

SCM事業の成長に向け“腹をくくった”パナソニック、株式上場で投資マネー獲得へ製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)は2022年5月11日、同日開催の取締役会で決定した、事業会社のパナソニック コネクトが展開するサプライチェーンマネジメント(SCM)事業の株式上場に向けた準備開始の狙いなどについて説明した。

[朴尚洙,MONOist]

 パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)は2022年5月11日、オンラインで会見を開き、同日開催の取締役会で決定した、事業会社のパナソニック コネクトが展開するサプライチェーンマネジメント(SCM)事業の株式上場に向けた準備開始の狙いなどについて説明した。

 株式上場を目指すパナソニック コネクトのSCM事業は、2021年9月に買収したSaaSベースのSCMソリューションを展開するブルーヨンダー(Blue Yonder)を中核に、旧パナソニック システムソリューションズジャパン(PSSJ)を母体に発足した現場ソリューションカンパニーの関連事業と、ブルーヨンダーとのシナジー効果を期待できるセンシングやIoT(モノのインターネット)テクノロジー、AI(人工知能)コンピューティング、エッジデバイスなどを手掛ける技術研究開発本部の関連領域から構成される。詳細はこれから詰めることになるが、SCM事業の専鋭化、価値最大化に必要かつ最適な組織としていく方針である。

株式上場を検討しているパナソニック コネクトのSCM事業の構成 株式上場を検討しているパナソニック コネクトのSCM事業の構成[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD
パナソニックHDの楠見雄規氏 パナソニックHDの楠見雄規氏

 パナソニックHD グループCEOの楠見雄規氏は「各事業会社が成長戦略を研ぎ澄まし明確化する中で、その筆頭になっているのがSCM事業だ」と語る。地政学的リスクの増大やコロナ禍の影響などによってSCM事業を取り巻く環境は急激に変化、複雑化しており、対応可能なSCMソリューションの需要も急拡大している。この成長が見込まれる市場に対して、競合や新規参入企業が活発に投資を行っておりソフトウェア人材の流動性も高くなっている。また、SCMのクラウドへの移行が求められているものの、現時点での移行比率は10%程度にとどまっている。「この大きなビジネスチャンスを生かすためにも、スピード感のある投資が必要だ。そこで、資本市場の力を借りてグローバル成長を加速させるためSCM事業の上場準備を始めることにした」(楠見氏)という。

SCM事業の競争力強化に向けて SCM事業の競争力強化に向けて[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

 2022年4月から持ち株会社制に移行したパナソニックHDでは、各事業会社が事業や競合の環境変化に適応した成長に向けてグループの資本政策を柔軟に選択できる施策を取っている。今回のSCM事業の新規上場は、事業会社による自己成長や、パナソニックHDによるグループ戦略投資だけでは実現が難しい非連続成長を、新規上場による外部資本の獲得で実現する狙いがある。ただし、SCM事業はグループの柱としての成長を期待していることから、上場する際にも50%を上回る議決権比率を持つことでマジョリティーは維持するとしている。

事業単位での新規上場の考え方 事業単位での新規上場の考え方[クリックで拡大] 出所:パナソニックHD

 なお、SCM事業の株式上場の時期や規模感などについては明確な言及を避けた。楠見氏は「現時点ではSCM事業の株式上場を決めただけであり、最適な形は今から検討することになる。ただし、スピード感のある投資を行うことが目的なので、なるはやで上場したいとは考えている。SCM事業の株式上場を行うという腹くくりをした以上、まずはそのことを対外的に発表することで、パナソニックグループとしても目標に向かって動きやすくなるし、さまざまな方からの知見も得やすくなると考えている」と説明する。

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