安川電機は、ロボット周囲側近の手元作業性を強化した、人協働ロボット「MOTOMAN-HC10SDTP」を発売した。可搬質量10kgの人協働ロボットをショートアーム仕様にし、手元での作業性を強化している。
安川電機は2022年3月9日、ロボット周囲側近の手元作業性を強化した、人協働ロボット「MOTOMAN-HC10SDTP」を発売した。価格はオープン。
MOTOMAN-HC10SDTPは、「MOTOMAN-HC」シリーズの可搬質量10kgタイプのアームを1200mmから900mmに短くしている。これにより、アクセス範囲や作業領域が人に近くなり、人の作業を代替しやすくなった。
ロボットが旋回する領域を必要としないアームスイング動作により、物を最短距離で搬送できるため、作業スペースや作業時間を削減する。アームの動作速度は、従来の可搬質量10kgタイプと比べて10%向上している(同社特定動作パターン比)。
ロボット先端には、標準規格「ISO9409-1-50-4-M6」に準拠したエンドエフェクター取り付け部を備えており、さまざまな機器と接続できる。また、ロボット先端にカメラを設置する際に用いるETHERNETケーブル(Cat.6)や、I/O用ケーブル、エアホースをロボットに内蔵。外装に配線がないため、周辺機器との干渉を避けつつ、容易にセットアップできる。
安全機能として、あらかじめ制限値を設定しておき、外部からその値を超える力がかかった場合にロボットが自動停止する「人協働モード」を搭載する。これにより、安全柵を設置せずに使用できる。形状には、安全のためアームの間に隙間を確保する「挟み込み防止」設計を採用している。
表面はアクリルウレタン塗装を施し、先端フランジにはステンレスを採用した。全軸がIP67の防じん防滴構造のため、水洗いが必要な用途にも使用できる。
ロボットへの動作教示には、プログラミングペンダントによる従来のティーチング方法と、「ダイレクトティーチング機能」による方法がある。ダイレクトティーチング機能は、ロボットアームを手でつかみ、任意の動作を自由に操作して教示できるため、ロボット操作に慣れていない作業者でも直感的に動作を指示できる。タブレット型のユーザーインタフェース「スマートペンダント」にも対応している。
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