モノプラにはIoTデバイスの管理のため「登録」「認証」「編成」「監視」という4つの機能も搭載している。モノプラ上でIoTデバイスの登録や削除を行い、登録したIoTデバイス以外からのアクセスを拒否する。開発環境と本番環境の区分けの管理や、IoTデバイスのオン/オフの監視なども簡単に行える。
希望者にはIoTデバイスの開発キットとして「DIP型LTEモジュール基板」や「M5Stack向け変換基板」「Nucleo向け変換基板」などのハードウェアを無償提供する。設計データも無償公開する。加えてIoTデバイスとプラットフォーム(デバイスI/F)、アプリケーションとプラットフォーム(クラウドI/F)の通信仕様に関する情報もオープンにする。特定のハードウェアを使用した際のプラットフォームとの通信に関するライブラリも用意し、それを基に作成したIoTデバイスの実装例も提供する。クラウドアプリケーション開発の参考となるソースコード例も公開する。
さくらインターネット IoTプラットフォーム事業部 プロダクトマーケティングマネージャーの西田有騎氏は「総務省の発行する情報通信白書などを参照すると、世界のIoTデバイス数は2019年から年平均2桁%の比率で成長を遂げており、堅調に普及している様子が伺える。だが、成長率は鈍化傾向にあり、普及を妨げる阻害要因が存在するのではないか」と指摘した。
こうした問題意識や、モノプラに先行して展開していた「sakura.io」、さくらのセキュアモバイルコネクトなどのサービスの経験から、IoTデバイスの普及を阻害する要因が幾つか見つかったという。
「例えば、IoTの適用フィールドは現時点では屋内に集中しており、屋外での広まりが進んでいない。屋外では上流側の回線敷設が困難なことに加えて、電源確保などに課題がある。省電力性に優れたLPWAのサービスは多々出てきているが、屋外での利用ケースは限定的になってしまっている。また、安価なIoTの通信回線を提供しても、結局IoTデバイスやクラウドアプリケーションの開発を担う人材がおらず、導入判断に際しての技術検証を進めることが難しいという問題もあった」(西田氏)
このためモノプラでは、通信仕様やインタフェース、実装例をオープンにすることで、ハードウェアのロックインを防ぐとともに、開発を進めやすい環境づくりを行っている。省電力を意識したハードウェア構成を作り込みやすい上、手探りの開発を防ぐ効果が期待される。加えて「分かりやすく無駄のない料金体系」(西田氏)のため、高精度の事業計画策定に役立つという。
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