特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜

IoTシステムの構築を容易にする「モノプラ」、デバイスとクラウドの通信を仲介製造業IoT(1/2 ページ)

さくらインターネットは2022年3月24日より、IoTデバイス、クラウドアプリケーション、通信回線の連携を容易化するプラットフォーム「さくらのモノプラットフォーム」の提供を開始すると発表した。

» 2022年03月29日 09時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 さくらインターネットは2022年3月24日より、IoT(モノのインターネット)デバイス、クラウドアプリケーション、通信回線の連携を容易化するプラットフォーム「さくらのモノプラットフォーム(以下、モノプラ)」の提供を開始すると発表した。モノプラの初期費用は無料で、月額基本料金はIoTデバイス1台当たり220円。また、2022年3〜6月の期間限定で、モノプラの月額基本料金とオプション料金を無料で提供するキャンペーンを実施する。

IoTデバイスとクラウドアプリケーションの通信を仲介

 モノプラは、クラウドアプリケーションやIoTデバイスの通信回線とつながる「プラットフォーム」と、デバイスSDK(ソフトウェア開発キット)、クラウドSDKなどを含む「設計情報」に加えて、通信回線として高セキュアな閉域型ネットワーク「さくらのセキュアモバイルコネクト」をまとめてサービスとして提供するものである。

モノプラのサービス構成について[クリックして拡大] 出所:さくらインターネット

 サービス利用者はIoT使用時に、IoTデバイスとクラウドアプリケーションの間にモノプラを挟む形で通信を行うことになる。従来の通信方式ではIoTデバイスとアプリケーションを直接連携する形式のものが多かったが、この場合、アプリケーション側が必要とする通信プロトコルをIoTデバイス側にも実装する必要があった。このため、IoTデバイス側の通信資源が乏しい場合は、最適ではない通信プロトコルの使用を余儀なくされることもあったという。

 一方で、モノプラを介して通信を行う場合、IoTデバイス側ではプラットフォームへの通信プロトコルのみを開発すればよい。クラウドアプリケーションへのデータ送信に必要な通信プロトコルはモノプラ側で対応できる。またデータ転送の形式は、IoTデバイス側からモノプラ間は効率的なバイナリ形式で、モノプラとクラウドアプリケーション間はJSON形式で行える。

モノプラを介して通信を行う[クリックして拡大] 出所:さくらインターネット

 IoTデバイスやクラウドアプリケーションが増加した場合、それに応じたネットワークのスケールもモノプラ上で行える。また、クラウドアプリケーション側はIoTデバイスがオフライン状態であっても、モノプラにデータを送信すれば、後にIoTデバイスがオンラインに復帰した時点でデータが自動送信されるので、データの再送処理を行う必要がないというメリットもある。

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