ラズパイを使った設備IoTでありがちな困り事と対処方法ラズパイで製造業のお手軽IoT活用(12)(2/3 ページ)

» 2022年03月14日 10時00分 公開

1)センサーのセンサー値と出力電流値の仕様を確認する

 圧力センサーのセンサー値はもちろん圧力ですが、仕様書を見ると出力電流値は4m〜20mAと書いてあります。これはセンサー値である圧力に対応して、4m〜20mAの範囲で電流値を出力するという意味になります。センサーからの電流の出力仕様は図2のグラフで表示されています。

図2 図2 圧力値と電流値の関係

 図2のグラフにおける圧力値と電流値の関係は、aを圧力値、bを電流値とすると次のような式になります。

b=16a+4
a=1(MPa)の場合、b=20mA

2)A-D変換機の入力電流値と出力されるデジタル値の仕様を確認する

 次にA-D変換機の仕様を見ると、入力電流値をデジタル値に変換する仕様が書かれています(図3)。

図3 図3 電流値とデジタル値の関係

 bを電流値、cをデジタル値とすると次のような式になります。

c=1000×b−4000
b=20(mA)の場合、c=16000

3)上記1)と2)からセンサー値とデジタル値の計算式を作成する

 aを圧力値、bを電流値、cをデジタル値として、上記1.のb=16a+4を、上記2.のc=1000×b−4000に当てはめると以下のような式になります。

c=1000(16a+4)−4000
 a=c/16000
 c=16000a

 cがA-D変換機から出力されるデジタル値ですので、この式を使えばcの値からaの圧力値に直接変換できます。

4)3)の計算式を使用して、A-D変換機から出力されるデジタル値からセンサー値に変換してデータ収集できるようにする

 圧力計の数値で表示されている0.049875(MPa)は、デジタル値が798で出力されます。上記3.の計算式に当てはめると、c=798/16000=0.049875(MPa)と変換できます。センサーやA-D変換機の仕様書の見方が分かれば、誰でもアナログセンサーからセンサー値を収集可能になるわけです。

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