現在、国内の風力発電風車は約2500基あるといわれておりナセルの落下やブレードの破損も増えてきている。中でもブレードは、点検不備や整備不良による事故や故障が最も多い箇所であるため、2021年3月にJWPA(日本風力発電協会)が「風力発電設備ブレード点検および補修ガイドライン」を定め、同年4月に経済産業省も風力発電設備の技術基準を改定するなど、ブレードの点検と補修が従来以上に重視されるようになっている。
日立グループはこれまでに風力発電設備を860基受注しており、これらのうち国内の461基については、日立パワーソリューションズが事業化計画から設計、建設工事、運転管理、そして保守サービスまでを担ってきた実績がある。補修サービスについても、国内に9カ所のサービスセンター、2カ所の工場、1カ所のパーツセンターを展開し、延べ600基以上に提供してきた。
これまで日立パワーソリューションズが保守や補修のサービスを提供していたのは、日立グループの提携パートナーであるドイツのエネルコン(Enercon)製の風力発電設備が中心だった。今後は、風力発電風車ブレードの点検と補修の国内市場規模を約35億円と想定し、センシンロボティクスと共同開発したドローンを用いたブレード点検システムとの組み合わせで日立グループ外に事業を積極的に展開していく構えだ。
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