日立パワーソリューションズが、ドローンとAIを用いて風力発電風車のブレードの点検に加えて、保守計画立案、損傷や劣化箇所の補修などもワンストップで行うブレードトータルサービスを発表。点検に伴う設備停止時間を従来比で3分の1に短縮できるのが特徴だ。
日立パワーソリューションズは2022年2月9日、オンラインで会見を開き、ドローンとAI(人工知能)を用いて風力発電風車のブレードの点検に加えて、保守計画立案、損傷や劣化箇所の補修などもワンストップで行うブレードトータルサービスを発表した。点検に伴う設備停止時間を従来比で3分の1に短縮できるのが特徴。日立製作所(以下、日立)のデジタルソリューション群「Lumada」の一つとして、風力発電事業者向けに同年4月1日から提供する。
ドローンを用いたブレード点検システムは、産業用ドローンの活用実績が豊富なセンシンロボティクスと共同で開発した。風力発電設備ごとに、自動でドローンの飛行ルートを設定し、1本のブレードに対して5方向から高精細に画像データを撮影する。これらの画像データは、サイト別や撮影方向別などに振り分けて分類管理するとともに、AIによる画像解析で損傷状態を評価する。
従来、3本のブレードを持つ1基の風車の点検は、作業員が地上からデジタルカメラのズーム機能を用いて2〜3時間かけて撮影していた。これをドローンの活用で1時間程度に短縮できる。また、点検だけでなく、保守計画立案、損傷や劣化箇所の補修を含めてワンストップで提供することにより、1〜2週間の設備停止が必要な補修の頻度を減らせるという。「寿命が約20年といわれる風力発電の風車では、その間のダウンタイムをどれだけ減らせるかが重要になる。ブレードの点検から保守計画、補修に至るまでのデータを一元的に管理するブレードトータルサービスによってそれが実現できる」(日立パワーソリューションズ)という。
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