シスコシステムズは2021年12月15日、同社が2020年11月に開設した、E2Eの5G通信ネットワークアーキテクチャを利用できるオープンラボ「5Gショーケース」について、最新状況などを解説する説明会を開催した。これと併せて、シスコが現在実施中のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みなども紹介した。
シスコシステムズ(以下、シスコ)は2021年12月15日、同社が2020年11月に開設した、E2E(End to End)の5G通信ネットワークアーキテクチャを利用できるオープンラボ「5Gショーケース」について最新状況を報告する説明会を開催した。これと併せて、シスコが同施設で展示している脱炭素関連の最新研究開発なども紹介した。
5Gショーケースは5G利用に必要なアークテクチャ、ネットワークなどの構成要素を備え、5Gサービスやソリューションをデモ体験できる環境を提供する施設である。企業による5Gの活用推進とデジタル変革の支援などを目的に設立した。現在、NTT東日本や横河ソリューションサービスなど合計12社がパートナーとして参画する。設立以来、50社以上が来場し、合計で100回以上のデモを実施している。
5Gショーケースの最新動向としてシスコ 情報通信産業事業統括 SEマネージャーの山田欣樹氏は、ローカル5Gの検証環境を整備するため、米JMA Wirelessと米Airspan Networksによる協力のもと、ミリ波とsub6の商用免許を取得したと語った。また、「sub6は100Mhz帯で2つのチャンネルを取得しているため、チャンネルをまたいだ際の性能検証など柔軟な検証が可能になっている」(山田氏)という。
ショーケースを活用した他社との協創事例として、パナソニックと構築した5G Media Showcaseの取り組みを挙げた。放送システムのIP化と5Gの活用によって、映像も音楽のデータ送信をどこからでも行えるようになり、撮影/放送用機材などのリソースを柔軟に分配できると期待されているが、実際にこうした環境を施設内に構築し、デモ体験できるようにした。E2Eの5G環境の中で、放送時の検証や関連する開発を行えるようになっている。
さらに、パケットロスなどテクノロジースタックのパフォーマンス低下につながりかねない問題の原因特定などを行う「フルスタック オブザーバビリティ」や、セキュリティ・バイ・デザインのアプローチで構築した5Gセキュリティソリューション、チャットベースのシステムオペレーションで5Gネットワーク運用を自動化するソリューションなどのデモを体験できる。
山田氏は「5Gネットワークはセキュリティ、自動化、可視化ソリューションなどと組み合わせて運用する必要がある。ショーケースでは顧客のユースケースに合わせたアプリケーションの開発など、E2Eでの5G環境を活用して当社パートナーと一緒に価値創出を加速していきたい」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.