BASFは、ポリエーテルスルホン樹脂「ウルトラゾーン」を使用し、一般的な射出成形でマーブル模様の製品を製造した。色の濃淡やしま模様などの表面効果が再現可能になり、家電製品や食器などに豊富なカラーバリエーションを提供する。
BASFは2021年10月5日(現地時間)、ポリエーテルスルホン(PESU)樹脂「Ultrason(ウルトラゾーン)」を使用し、一般的な射出成形でマーブル模様の製品を製造したことを発表した。家電製品や食器、容器類、ビジュアルパーツなどのデザインに、豊富なカラーバリエーションを提供する。
BASF本社のパイロットプラントで開発した新たな着色プロセスにより、新型ノズルインサートと特殊な注入技術を用いて、マーブル模様の製品の製造に成功。ポリアリールエーテルスルホンであるウルトラゾーンで、色の濃淡やしま模様などの表面効果を再現可能になった。
従来は複雑な2つのコンポーネントからなる射出成形でしか実現できなかったが、射出成形機の温度を適切にコントロールすることで、PESU樹脂の「ウルトラゾーン E」やポリフェニルスルホン(PPSU)の「ウルトラゾーン P」で高コントラストのパターンを出せるようになる。
ウルトラゾーンによるマーブル模様の製品は、180℃までの過熱蒸気耐性、広い温度範囲での優れた強度と靭性、工業用洗浄剤や滅菌処理への耐性を備える。EUと米国の食品接触規制にも適合し、ボウル、カップ、皿、調理器具などの家庭用品、電子レンジで使用できる。
蜂蜜のような色合いを持つウルトラゾーンは、淡い色合いや木、大理石といった天然素材に似た単色ベタ塗りによる抽象的なパターンにも適する。さらに、メガネフレーム、ハンドル、電気・電子機器のビジュアル製品、装飾パネル、カバーなどにもマーブル効果を出せるとしている。
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