キナクシスは2021年12月1日、サプライチェーンマネジメントのデジタル化をテーマとしたイベント「BIG IDEAS in Supply Chain|JAPAN」をオンラインで開催した。本稿では当日のプログラムから、カシオ計算機が展開する時計ブランド「G-SHOCK」のカスタマイズサービス「MY G-SHOCK」を支えるDXを解説したセミナーを抜粋して紹介する。
キナクシスは2021年12月1日、サプライチェーンマネジメントのデジタル化をテーマとしたイベント「BIG IDEAS in Supply Chain|JAPAN」をオンラインで開催した。本稿では当日のプログラムから、カシオ計算機が展開する時計ブランド「G-SHOCK」のカスタマイズサービス「MY G-SHOCK」を支えるDX(デジタルトランスフォーメーション)を解説したセミナーを抜粋して紹介する。
カシオは現在、ユーザー一人一人に適した製品やサービス提供を行うことで同社へのロイヤリティーを高め、事業成長につなげるという「ユーザーファースト」の事業戦略を掲げて、実現に向けた取り組みを進めている。
カシオ計算機 デジタル統轄部 情報開発部 基幹業務情報グループ グループマネジャーの上原敬氏は「ただ、当社のバリューチェーンモデルは川上から川下へと業務が流れていく、プロダクトファーストの形式となっていた。こうしたモデルでは開発/生産/営業・マーケティング/サービスのいずれにおいてもユーザーとの距離が遠い。結果としてユーザーが満足する価値を即座に提供するのが難しい」と課題感について語った。
そこでカシオ計算機は、ユーザーと開発、生産、営業、サービス部門を直接つなげることで、ユーザーファーストの事業活動を成立させるDXに着手した。その取り組みの代表的な成果の1つが、2021年10月に開始した「My G-SHOCK」サービスである。
My G-SHOCKは、ECサイト上で時計の各部位のカラーを自由にカスタマイズし、ユーザーオリジナルのG-SHOCKを作れるというサービスである。盤面や上下バンドなど全6カ所のコンポーネントについて個別にカラーを選択でき、組み合わせは約192万通り(シングル遊環選択時)にも及ぶ。今後も選択可能なカラーバリエーションは順次追加していく予定だという。
My G-SHOCKは一般的な見込み生産方式と異なり、受注に先行して部品調達を行い、1点ずつ部品を組み合わせて生産し、顧客の指定の場所に納品する受注組み立て方式(BTO)のサービスだ。こうしたBTOでの製品生産はカシオ計算機にとって「初の試み」(上原氏)だったという。
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