コアスタッフが供給が逼迫(ひっぱく)している半導体や電子部品の現状について、オンライン商社としての立場から解説。同社はこれまでも同様の会見を行っており、その際には「納期が1年以上、価格が20〜30倍に跳ね上がっている」と報告したが、現在はさらに状況が厳しくなっているという見立てだ。
コアスタッフは2021年11月30日、オンラインで会見を開き、供給が逼迫(ひっぱく)している半導体や電子部品の現状について、オンライン商社としての立場から解説した。同社は同年6月30日にも同様の会見を行っており、その際には「納期が1年以上、価格が20〜30倍に跳ね上がっている」と報告したが、現在はさらに状況が厳しくなっているという見立てだ。
独立系のオンライン半導体商社であるコアスタッフは、自社在庫として10万点を有しており、これに加えて他社在庫600万点をWeb上で発注できることを特徴としている。会員数は約7万人、販売社数は約5000社、2020年度の全社売上高は84億5000万円である。同社 代表取締役の戸澤正紀氏は「当社は国内だけでなく香港や米国、中国、ドイツ、タイなど海外にも拠点を展開しているが、引き続く半導体不足に対して、これら海外拠点の在庫を国内顧客に販売する形で貢献することができた。2021年度の売上高も2020年度よりかなり大きくなると考えている」と語る。
半導体不足は、需要に対して半導体メーカーの生産が追い付かずに発生するのであり、これには既に生産された在庫で対応するしかない。アクセスしやすい国内在庫は早々に限界が生じたわけだが、国内顧客の求める製品は実は海外拠点にまだ一定数残っており、これを活用したというわけだ。この他、同社のビジネスモデルの特徴である、顧客の余剰在庫を需要に応じて販売する委託販売についても、半導体不足に対応する在庫として大いに活用できたという。
コアスタッフの受注金額推移を見ると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大以降、2020年11月から半導体不足の兆候が見え始め、2021年2月には車載向けの需給逼迫を筆頭に半導体不足が確定したという。この半導体不足に対応するため、市場在庫の確保を強化する流れが生まれ、コアスタッフの受注金額も同年6月にピークを迎えた。「ここでピークアウトするかと思っていた」(戸澤氏)が8月を底に再び増加に転じており11月は6月の2倍に近い受注金額を記録している。
戸澤氏は「自動車メーカーによる半導体の在庫確保が進んでいるという新聞報道が出ているが、全体としての半導体生産量が増えていない以上、比較的企業規模の大きい自動車メーカーが在庫を持ったという事実は、その分だけより規模の小さい、中堅中小企業向けの需給が逼迫していることを意味している」と説明する。
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