Autodeskは、調査会社Altimeterと共同で、企業のDXの第3波とされるコンバージェンスに関する調査レポートを発表した。企業間で異なるデジタル成熟度や、コンバージェンスの重要性と課題などを解説している。
Autodesk(オートデスク)は2021年11月11日、調査会社Altimeterと共同で、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の第3波とされる「コンバージェンス(融合)」に関する調査レポートを発表した。
コンバージェンスとは、個々に分断されている技術やプロセス、データを融合することで、新たな製品、サービス、体験を創出し、業界そのものを変革していくことを意味する。
米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、日本、中国の建築、エンジニアリング、建設業界および設計、製造業界(D&M)に属する企業のリーダー749人を対象に、企業のデジタル成熟度や業界へ影響を与えるコンバージェンスのタイプなどについて調査を実施した。
自社のデジタル成熟度については、バーチャルコミュニケーションやパーソナライズされたデジタルエンゲージメントなど、革新的手法の導入に苦労しているデジタル成熟度が低い企業グループと、最新の革新的手法を導入し、成功しているデジタル成熟度の高い企業グループの2つに分かれることが判明。日本については、他国より特に二極化が進んでいることが分かった。
コンバージェンスの影響力についての調査では、デジタル成熟度が最も高いステージ5の企業の59%が、コンバージェンスがビジネスへ重大な影響を与えるものの1つであると回答した。逆に、成熟度の低い企業ほどコンバージェンスの影響を低く評価していることになるが、DXの推進やイノベーションの導入に労力を割かれる段階であることが理由ともいえる。
今回の調査により、コンバージェンスをプロセスコンバージェンス、テクノロジーコンバージェンス、データ/情報コンバージェンス、業界コンバージェンスの4つに区別できることが分かった。DXの基盤を構築する第1段階として、コンバージェンスの形態の理解と、ビジネスに最も影響を与えるカテゴリの特定が重要になるとしている。
レポートでは、デジタル成熟度のどのステージにおいてもコンバージェンスが重要であることを説明している。同時に、メリットを十分に発揮させるために、社会文化、ML(機械学習)向けデータ、コンバージェンスを考慮した設計、適切なスキルを持つ人材の採用などの課題についても指摘している。
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