ツインバード工業は2021年11月9日、「創業70周年リブランディング&新製品発表会」を開催。同社 代表取締役社長の野水重明氏がリブランディングに至った背景や狙い、今後のビジョンなどについて説明した。併せて、リブランディングの起点となる新生ツインバードの第1弾製品を発表した。
ツインバード工業(以下、ツインバード)は2021年11月9日、「創業70周年リブランディング&新製品発表会」を開催。同社 代表取締役社長の野水重明氏がリブランディングに至った背景や狙い、今後のビジョンなどについて説明した。併せて、リブランディングの起点となる新生ツインバードの第1弾製品を発表した。
ツインバードは1951年に新潟県三条市で創業したメッキ加工を主体とする野水電化被膜工業所を前身とする家電メーカー。1979年に現社名に変更し、1981年から本格的に家電事業に参入して以来、70年間、消費者に寄り添いながら事業を継続してきた。野水氏は創業家の3代目として、創業60周年の節目となる2011年に同社 代表取締役社長に就任し、ツインバードの第2変革期を支えてきた。
これまで事業を継続することができた理由について、野水氏は「従業員300人の会社だからこそ、時代に合わせて柔軟にカタチを変え、確かな技術で、他社にはまねのできない本質的に価値のある製品を世の中に提供し続けることができたからだ」と語る。
同社の家電事業では、扇風機やスティック型クリーナー、電子レンジ、冷蔵庫、靴乾燥機などを展開し、常に顧客の声に耳を傾け、多種多様なエントリークラスの製品を小ロットで生産してきた。また、近年では、世界一のおいしさを目指して開発した「全自動コーヒーメーカー(CM-D457B)」や、厚生労働省からの要請を受けて開発したワクチン輸送/保管用の「ディープフリーザー(SC-DF25WL)」といった製品なども手掛け、消費者のみならず社会への貢献にも寄与し、事業を大きく成長させている。
その一方で、家電業界を取り巻く環境は厳しさを増している。野水氏は「日本の家電業界に目を向けてみると全体としてダウントレンドにあり、大量生産/大量消費の時代から、本質的に豊かな生活を求める時代へと変化しようとしている。また、コロナ禍において、生活者の価値観の変化も強く感じ取れる」とし、「ミニマル、ロングライフ、サーキュラーといった家電業界として無視できないキーワードも散見されるようになった」(野水氏)と指摘する。
こうした変化に対して、同社はこれまで大切にしてきた「時代に左右されない」「ずっと安心して使える」「本質的な豊かさを提供する」という価値観と、燕三条というモノづくり地域に根ざした300人の会社だからこそできる、大手企業にはまねのできないツインバードならではのアプローチによって、変化する時代にニーズに応えられると考えた。
しかし、自社で実施したブランド定点調査の結果、ツインバードの価値観や魅力が消費者に伝わっていないという現実に直面。「経営者としてこの現実を厳しく受け止めた」と野水氏は述べる。
その結果、2021年3月に「大胆な投資を行い、ビジュアルアイデンティティ(VI)を変え、ブランドプロミスを策定し、リブランディングを実行する判断に至った」(野水氏)という。
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