連載
» 2021年10月08日 11時30分 公開

中小向け情報連携アプリを無償公開、現場からDXを支援するIVIの新たな一手IVI公開シンポジウム2021秋(1)(2/3 ページ)

[三島一孝,MONOist]

Excelでつながる個人間情報連携を拡大へ

 これらを踏まえた上で中小製造業のDXには「変えてはいけないもの」と「変えなければいけないもの」があるという。「目指すのは『当たり前のスマート化』であり、全てをデジタル化したりスマート化したりすることではない。強みである『機動性』『独自性』については変える必要はない。一方で既存の枠組みでは難しい『適応力』や『連携力』については変えていかなければならないところだ。こういう領域でデジタル技術を活用する」と西岡氏は語る。

 その中でまずは情報の連携を進める。Excelでの業務管理は個人間や部門内の情報連携の仕組みだが、それを部門間や企業間などに広げていくためには情報連携の仕組みが必要になる。そのためには今あるExcelによる個人管理の情報を連携させていくことが必要になる。

photo 連携の価値[クリックで拡大] 出所:IVI

 その中で、製造現場の当たり前である。「記録が取れる」「確認ができる」「改善ができる」というところで「デジタル技術を活用しスマート化を進めることで新たな価値を生み出すことができる」と西岡氏は訴えている。

photo 中小製造業の当たり前[クリックで拡大] 出所:IVI

つながるメリットとデメリット

 ただ、デジタル技術によりつながることにはメリットもデメリットも存在する。つながることにより競争が激化したり、マネされたり、価格競争に巻き込まれたりするような場合も考えられる。西岡氏は「必ずしも全ての領域でデジタル化を行い、連携を進めていく必要はない」と語る。

photo デジタル化とオープン化について考えるべきこと[クリックで拡大] 出所:IVI

 そして、つながった中でも勝負していくためには「要素技術」「管理技術」「対応技術」などで勝負できるように技術を磨く必要があるという。「要素技術とは、製品についての独自技術や固有設備によって生み出されるものだ。管理技術とは、工程管理や品質管理により、安定した製品供給が行えるようなことを指す。対応技術には短納期、小ロット対応や逆提案などがある。これらの何を強みとして勝負するのかという発想が必要だ」と西岡氏は考えを述べる。

 その上で「デジタル化は、効率化やつながる化(情報連携)の手段である。つながる化を進めると売り上げや顧客が増えるというメリットがあるものの、独自技術がマネされて競争力が損なわれるデメリットが起こり得る。そのため、もし、一から始めようと考えるのであれば、知財がからまないようなところからスタートするとよい。例えば、在庫管理や進捗管理などである」と西岡氏は最初の一歩の踏み出し方を紹介した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.