世界の製造業に影響を与えるビジネストレンドのトップ5を発表製造マネジメントニュース

Gartnerは、2021年の世界の製造業に影響を与えるビジネストレンドのトップ5を発表した。「デジタル+プロダクト・エクスペリエンス」「トータル・エクスペリエンス」「データ・マネタイゼーション」「エコシステム・パートナーシップ」が上がっている。

» 2021年08月11日 14時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 ガートナーは2021年7月29日、2021年の世界の製造業に影響を与え得るビジネストレンドのトップ5を発表した。デジタル化とともにこれらの戦略的ビジネストレンドを活用することで、より良いエクスペリエンスを提供できるとしている。

 1つ目のトレンドは、「デジタル+プロダクト・エクスペリエンス」だ。これは、B2Bの顧客に価値のある製品を提供するため、物理的なプロダクトとデジタルサービスを組み合わせたものの総称である。単なるサービスの追加ではなく、メーカーが製品の販売を超えて顧客とのつながりを維持できる、新しいデジタルビジネスモデルを表現している。

 2つ目の「トータル・エクスペリエンス」は、顧客や従業員、テクノロジーなど、全ての要素を結び付け、エクスペリエンス全体を向上させることである。これによってCIO(最高情報責任者)は、顧客やパートナー、従業員を結び付ける適切なプラットフォームを特定できる。

 3つ目は、グローバル企業がさまざまな市場で活用できる「エコシステム・パートナーシップ」の構築だ。特に製造業では、エコシステム・パートナーシップを活用することで、地球に優しいパッケージングや開発途上の地域などへの支援、リモートワークによるCO2排出削減などの取り組みが可能になる。

 4つ目は、「データ・マネタイゼーション(収益化)」だ。製造業のデジタル化は大量のデータを生み出すが、これをエコシステム全体で共有してマネタイズできる。このデータ資産を活用することで、新しいサービスの創出や、新たなビジネスモデルへの参入が可能になるため、サプライチェーンの課題など外的要因により事業が中断された場合でも、継続的な収益を確保できる。

 5つ目の「サービスとしての機器(EaaS:Equipment as a Service)」は、機器を購入せずに、運用する資産に対して定期的な運用料金を支払う取引モデルのこと。同社では、2023年までに産業機器メーカーの20%が、産業用IoT(モノのインターネット)のリモート機能を備えたEaaSをサポートすると見ている。

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