IDC Japanは2021年7月6日、PLM(Product Life-cycle Management)やSCM(Supply Chain Management)、ERM(Enterprise Resource Management)の3種類のアプリケーションを対象とした、≪国内エンタープライズアプリケーションソフトウェア≫(EAソフトウェア)の市場予測を発表した。
IDC Japanは2021年7月6日、PLM(Product Life-cycle Management)やSCM(Supply Chain Management)、ERM(Enterprise Resource Management)の3種類のアプリケーションを対象とした、国内エンタープライズアプリケーションソフトウェア(EAソフトウェア)の市場予測を発表した。
EAソフトウェアの国内市場について、いわゆる「2025年の崖」問題への対応や、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が後押しとなって継続的に成長するだろうと指摘する。
ただ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に起因する、2020年の市場規模減少からの回復は緩やかに進み、2020年〜2025年の年間平均成長率(CAGR)は1.8%、2025年の市場規模は6000億6600万円になると予測した。
IDC Japanは2020年の国内EAソフトウェア市場について、ベンダー売上額ベースで前年比成長率0.4%減、市場規模は5489億100万円になったと推定している。特にEAソフトウェア市場の半数を占めるPLM市場の低迷が、EAソフトウェア市場全体に影響を与えた。低迷の背景にはCOVID-19による製造業の業績不振が背景にあると考えられる。
SCM市場とERM市場でもユーザー企業の予算執行が2020年後半にずれ込むなど、COVID-19の影響が見られた。ただIDC Japanは同年後半の市場が全体として持ち直したことで、影響は限定的なものにとどまったと推測している。
各市場を個別に見ると、PLMアプリケーションの国内市場規模は前年比2.8%減の2783億6100万円となった。COVID-19による製造業の業績低迷の影響を受けた格好である。2020年後半には家電/エレクトロニクスなど一部の業種は好調だったが、素材/輸送機器などの業種では投資が抑制された他、半導体不足の問題や、消費減退などの影響も受けて、プラス成長には至らなかった。
SCMアプリケーションの国内市場規模は、前年比1.2%増の387億700万円となった。2020年前半に国内/グローバルサプライチェーンがCOVID-19で混乱したため投資は抑制されたが、同年後半にはデジタルシフトへの対応が急速に進んだことで市場が回復して、年間ではプラス成長となった。
ERMアプリケーションの国内市場規模は前年比2.4%増の2318億3300万円となった。EPM(Enterprise Performance Management)による経営指標の可視化や、EAM(Enterprise Asset Management)によるアセット管理といったニーズが2019年から継続して好調だったこと、また、デジタルシフトに伴う購買管理アプリケーションの需要が高まったことが市場の成長を促進した。
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