高速生産ラインでの個別印字を実現、「世界最高出力」のインラインプリンタFAニュース

リコーは2021年6月23日、専用の感熱メディアと組み合わせることで高速生産ラインでの情報印字を可能にするインラインプリンタ「RICHO FC-LDA Printer 500」を提供開始した。高速搬送される包装材に対して、最大毎分300mで個別に異なる情報を印字できる。

» 2021年06月24日 09時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 リコーは2021年6月23日、感熱メディアと組み合わせることで高速生産ラインでの情報印字を可能にするインラインプリンタ「RICHO FC-LDA Printer 500」を提供開始した。高速搬送される包装材に対して、最大で毎分約300mの速度で異なる情報を個別印字できる。

RICHO FC-LDA Printer 500のコントローラー部(左)とヘッド部(右)※出典:リコー[クリックして拡大]

トレーサビリティー確保の施策に

 RICHO FC-LDA Printer 500のサイズは、コントローラー部が600×900×937mmで、印字を行うヘッド部が150×355×48mmである。印刷ドット密度は主走査方向、副走査方向ともに200dpi。画像サイズは主走査方向が24.4mm、副走査方向が10〜355mm。ワーク速度は毎秒0.1〜5.0m。印刷レーザーの最大出力は1728W±52となっている。

 RICHO FC-LDA Printer 500にはリコーが開発した、192個のレーザー光源をそれぞれ高速かつ独立させて駆動できる「192チャンネル高出力レーザーマーカー」が搭載されている。「世界最高出力」(リコー)のレーザーマーカーによって、10万分の1秒程度の短時間で、感熱メディアへのサーマル印字を可能にする。製品のトレーサビリティー確保のために、ラベルにQRコードやシリアルナンバーなどを個別印字することが可能になる。

 具体的には、大量生産ラインの速度に相当する最大毎分300mで高速搬送されるロールtoロールのフィルムに対して、個別に異なる画像を印字できる。また、リコーの高耐性発色技術などを生かしたサーマルインクを開発したため、同インクでコーティングすることで、ラベルや袋、箱などさまざまなメディアへのレーザー印字が可能になった。

 すでに実用化例もあり、フジシールインターナショナルが展開するペットボトル飲料用シュリンクラベルの裏側に、キャンペーン応募用の個別シリアルコードやQRコードを印字する用途で採用されたという。タックシールを用いる従来の印字方法と比較して、プラスチック使用量の削減効果が期待できる上、ラベル裏側に印字することでペットボトルとラベルの分別を促進する可能性もあるという。

フジシールインターナショナルによる実用化例※出典:リコー[クリックして拡大]

⇒その他の「製造マネジメントニュース」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.