HHS全体レベルでは、同省のチーフAIオフィサーに選任されたオキ・メク(Oki Mek)氏が、2021年1月24日、「人工知能(AI)戦略」を公表した(関連情報、PDF)。
HHSは、「効果的な保健福祉サービスのために提供し、医療や公衆衛生、社会サービスにおける堅実で持続的な科学的進歩を促進することによって、全ての米国民の健康・ウェルビーイングを強化する」というミッションの下で、以下のようなAI戦略の展望を提示している。
アカデミアや産業界、政府機関のパートナーとともに、HHSは、AIを活用して、米国の人々の健康・ウェルビーイングにおける進化を継続的に先導することによって、従来解決できなかった課題を解決し、保健福祉サービスのエコシステムにわたるAI利用に対応し、部門を越えた信頼できるAI採用をスケーリングする。
そして、AIの定義について、以下のように示している。
日常的なタスクを自動化し、データに基づく洞察を引き出し、人間行動を拡張させることができるソリューションを提供するために、通常は人間のインテリジェンスを要求するようなタスクを遂行できるコンピュータシステムの理論および開発
図1は、保健福祉省(HHS)のエンタープライズAI戦略の概要を示している。
この中で、以下のような4つのフォーカス領域を挙げている。
そして、HHSの展望を効果的に進めるために、AI評議会を設置し、以下のような目標を設定するとしている。
AI評議会は、上記の目標を支援するために、以下のような方針を掲げている。
なおHHSは、AIイノベーション支援活動を積極的に行っており、2021年4月30日には、傘下のメディケア・メディケイド・サービス・センター(CMS)が、「人工知能(AI)ヘルスアウトカム・チャレンジ」で、テキサス州オースティンのClosedLoop.aiを優勝者に選定したことを発表している(関連情報)。
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