コマツが開発したIoT基盤を発売、生産現場の稼働状況可視化や最適化を支援:製造ITニュース
クオリカは、小松製作所が開発したIoT生産支援プラットフォーム「KOM-MICS」を一般企業向けに販売する。主要メーカーの工作機械に容易に接続でき、生産現場の稼働状況の可視化や最適化を支援する。
クオリカは2021年4月5日、小松製作所が開発したIoT(モノのインターネット)生産支援プラットフォーム「KOM-MICS」を、同月より一般企業向けに販売すると発表した。
KOM-MICSは、小松製作所が「つながる工場」活動推進の一環として、生産ラインの可視化を目的に独自開発したもの。生産現場の稼働状況の可視化や最適化を支援するプラットフォームとなる。海外生産工場および協力企業を含む同社生産拠点に展開し、これまで機械加工機約1000台、溶接ロボット約500台を接続。サプライチェーン全体の生産性向上に貢献している。
小松製作所では、国内製造業の発展に寄与することを目的に、同プラットフォームを外販することを決定。クオリカが提供していくこととなった。
KOM-MICSは、生産現場からのデータを取得するロギングソフトウェア「KOM-MICS Logger」、そのデータを保存、管理する「KOM-MICS Cloud」、データを可視化して問題点を抽出し、品質と生産性を向上させる「KOM-MICS Viewer」から構成される。
「KOM-MICS」の接続図(クリックで拡大) 出典:クオリカ
主要メーカーの工作機械に容易に接続でき、汎用の装置やシステムを採用することで導入コストを抑えている。運用は、小松製作所と同社グループ企業、協力企業で行う。
「KOM-MICS」の特徴(クリックで拡大) 出典:クオリカ
「KOM-MICS」ダッシュボード画面(クリックで拡大) 出典:クオリカ
クオリカは今後、延べ1万台以上の機器の接続を目標に展開する。将来的には、工作機械などのデータに加えて、周辺機器の稼働データや作業員の動線、工場環境を含めたさまざまなデータを収集、分析し、総合的に生産現場の改善を支援するプラットフォームを目指す。
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