特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜

10分で立ち上げ可能な遠隔監視IoTシステム、2年分の通信費込みで9万8000円スマート工場EXPO

アスコは、「第5回 スマート工場EXPO」において、生産ラインにおける遠隔監視IoTシステムの立ち上げを10分で完了できる「PUSHLOG」を展示した。

» 2021年02月02日 08時00分 公開
[朴尚洙MONOist]
「PUSHLOG」のハードウェア「PUSHLOG Gateway」の外観 「PUSHLOG」のハードウェア「PUSHLOG Gateway」の外観(クリックで拡大)

 アスコは、「第5回 スマート工場EXPO」(2021年1月20〜22日、東京ビッグサイト)において、生産ラインにおける遠隔監視IoT(モノのインターネット)システムの立ち上げを10分で完了できる「PUSHLOG」を展示した。PLCなどのコントローラーと接続するハードウェア1台と、LTEによる通信やデータを収集するクラウド、見える化のためのダッシュボードなどの利用料2年分を1パッケージにまとめた価格も9万8000円と安価に抑えたことも特徴となっている。

 PUSHLOGは、コントローラーからデータを収集するハードウェア「PUSHLOG Gateway」、収集したデータの可視化を行うダッシュボード「PUSHLOG Viewer」、データを蓄積するクラウド、PUSHLOG Gatewayからクラウドにデータを送信するソラコムのLTE-Mの通信回線などを1パッケージにした製品である。

 PUSHLOG GatewayがPLCのデバイス値をプログラムレスで読み出すのでPLCに関する専門知識は不要であり、追加のプログラミングなどを行うことなくGUIベースでデータ収集についての設定ができる。PLCとの接続インタフェースはRS-232CとRS-485を用いる。RS-232Cについては、三菱電機、キーエンス、オムロン、パナソニックデバイスSUNX、芝浦機械のPLCに対応。RS-485についてはModbus対応製品であれば利用可能としている。「産業用イーサネットやWi-Fiへの対応も検討しているが、その場合はPUSHLOGを使わずにIoTシステムを構築できるのではないかとみている」(アスコの説明員)という。

「PUSHLOG Gateway」とPLCの接続はRS-232CとRS-485を用いる 「PUSHLOG Gateway」とPLCの接続はRS-232CとRS-485を用いる(クリックで拡大)

 10分で完了するという立ち上げ時間は、PUSHLOG Gatewayの電源を入れてから、専用IDで登録し、接続するPLCの選択とモニターするデバイスの設定を行い、Webブラウザ上でダッシュボード画面を確認するまでだ。配線や設置の作業時間は含んでいない。ただし、PUSHLOG Gatewayの外形寸法が117×57×46.5mmと小さく、重量も160gと軽量なことから、それほど配線や設置に時間はかからなさそうだ。

「PUSHLOG Viewer」の画面例 「PUSHLOG Viewer」の画面例(クリックで拡大)

 9万8000円という価格に通信費用を含めた2年分の利用料を1パッケージに含めたのは「まずは社内稟議を通りやすい10万円以下という価格を意識した。そして、IoTのPoC(概念実証)が2年もあれば完了すると考え、2年分の利用料も価格に入れ込んだ」(同説明員)という狙いがある。

 なお、標準機能としては、データ収集周期が最短で1分間隔、クラウドに接続可能なデバイス数が20台などの制限がある。オプション機能を使うことで、データ収集周期を最短10秒まで短縮でき、接続可能デバイス数も148台まで増やせる。

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