東芝は、同社独自のSASP技術を搭載した小型のBluetooth Low Energyモジュールを開発し、サンプル出荷を開始した。ウェアラブルデバイス向けに、2022年の量産開始を計画している。
東芝は2021年1月15日、同社独自のSASP(Slot Antenna on Shielded Package)技術を搭載した小型のBLE(Bluetooth Low Energy)モジュールを開発し、サンプル出荷を開始した。ウェアラブルデバイス向けに、2022年の量産開始を計画している。
SASPは、モジュールの上面にスロットアンテナの大部分を配置する技術。同技術を用いたアンテナ一体型のシールドパッケージをBLEモジュールに採用した。パッケージサイズは4×10mmで、同社発表によると、アンテナ付きシールドタイプの32KHz/32MHz水晶振動子内蔵モジュールでは「世界最小サイズ」(同社)になるという。
国内電波法の工事設計認証を取得しており、高速水晶振動子や低速水晶振動子、電源周辺の受動部品を内蔵。Nordic SemiconductorのBluetooth IC「nRF52811」を搭載しており、Bluetooth Ver. 5.2に対応する。また、ARM Cortex-M4も内蔵し、モジュール内でミドルウェアやアプリケーションを動作できる。
従来技術ではアンテナ周辺に配線禁止エリアを設ける必要があるが、SASP技術では不要となるため、電池やセンサーなどのモジュール周辺部品をより自由に配置できる。また、既存の製造技術を用いて生産できるため、製造コストを低減できる。
重量は約0.09gで、動作温度範囲は−30〜85℃、動作電源範囲は1.7〜3.6V。スポーツウェアや洋服のボタン、洋服自体への組み込みなど、従来のウェアラブルデバイス以外の分野でも利用が期待される。
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