日本ストラタステクノロジーは「いざ、IoT導入!!『止まらない工場』実現の勘所」をテーマとし、エッジコンピューティングの重要性について訴えた。
工場でデータの重要性が高まっている一方で、システム管理は複雑化し、IT知識のある人材不足や障害対応のコスト、セキュリティ対策など課題は山積している。モノづくり現場でIoTを進める中で、データを収集する端末やデバイスが増加しており、それらのデータを全てにクラウドに上げるのは性能やリアルタイム処理、通信コスト、セキュリティなどの多くの問題が生まれている。これらを解決するためにはデータが発生する場所に近い領域で情報処理を行うエッジコンピューティングの重要性が高まっている。
ただ、エッジコンピューティング端末の導入時の課題としては、予算不足やセキュリティ上の懸念、スキル不足などが指摘されている。日本ストラタステクノロジー 事業開発部 部長の香月千成子氏は「特に過酷な現場でも安定作動し、たとえ故障しても工場を止めない、設置しやすく高性能などの要望がある」とエッジコンピューティング端末に求められる性能について語る。ただ、エッジコンピューティング専用端末はまだ少なく、これらのニーズを満たす機器があまりない状況だった。そこで日本ストラタステクノロジーでは、エッジサーバ「Stratus ztC Edge」を2018年に発表し展開を進めてきた。「ゼロタッチでどんな過酷な現場でも安定して稼働し、現場の負担を軽減し、仮想化もあらかじめ組み込んでいる。さらに、無停止レベルの高可用性を実現した」(香月氏)と、これらの現場のニーズに対応する。
SBテクノロジーは「製造現場や保守現場で使えるAI/IoT利活用の要点を初公開」をテーマとし、クラウドを活用したAIやIoT活用の取り組み事例を中心に活用のヒントを紹介した。
SBテクノロジー ソリューション&サービス事業統括 クラウドソリューション本部 プロダクトマネジメント&セールス部 clouXion&IoTプロダクトグループの杉井雄汰氏は「国内の企業でIoTを導入していない理由としては『使いこなす人材がいない』『導入コストがかかる』『導入後のビジネスモデルが不明確』などが挙げられる。IoT(AI)導入に必要なステップはデータ収集、データ蓄積、データ可視化、データ利活用の4つのステップである。工場などからのデータをクラウドに収集しさまざまなツールと接続することで、これらの4つのステップを容易に実現でき、BIツールやAI、フィールドサービスなどで活用できるようになる」とポイントについて語る。また、同社の「IoT Core Connect」はこの4ステップを1つのサービスで完結させることが可能で、これらを容易化できる点を訴えた。
TeamViewerとラックは「デジタルツインへの道も一歩から。TeamViewer IoTで10分で実現、センサネットワーク」をテーマとし、センサーネットワーク構築の重要性を訴えた。
センサーネットワークの実現には高度にセキュアなネットワークや各種ソフトウェアの用意が重要となるが、リモートサポート用ソフトウェアのTeamViewerが提供しているTeamViewer IoTは簡単にセンサーネットワークを実現できる。TeamViewer ジャパンシニアソリューションアーキテクトの小宮崇博氏は「TeamViewer IoT Agentというソフトウェアをエッジサーバに導入するとLow/No CodeでIoT活用が可能となる。複雑になりがちなIoT環境を簡単に実現できる」と訴える。また、これらの事例として、海洋水産資源の調査などを行う、海洋シミュレーション研究所への導入した事例をラック SIS事業統括部 ソリューション開発部 製品担当の川野辺満氏が紹介した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.