TOUCH TO GOは2020年11月25日、ハンバーガーショップ「R.ベッカーズ 田町店」に次世代無人オーダー決済端末「TTG-MONSTER」を導入した。商品注文と決済を一体化することで、顧客自身がタッチパネル上で操作するだけで商品を受け取れる。顧客対応の作業効率化と省人化を実現する。
TOUCH TO GO(TTG)は2020年11月25日、ハンバーガーショップ「R.ベッカーズ 田町店」に次世代無人オーダー決済端末「TTG-MONSTER」を導入したことを発表した。顧客自身がタッチパネル上で操作するだけで商品注文と決済が行える仕組みで、顧客対応の作業効率化と省人化を実現する。
今回TTG-MONSTERを導入したのは、JR山手線の田町駅改札内にあるR.ベッカーズ 田町店だ。店舗スタッフの手を介することなく注文や決済が行える仕組み自体は、これまでにも券売機やKIOSK端末などがあった。しかし、TTG 代表取締役社長の阿久津智紀氏によると、これらの端末は「1台約200万円と高コストな上、店舗メニューに改定があった場合の修正対応も難しい。また、Webとの接続にも対応していないため、端末の売り上げデータを一括で収集することも困難だ」という課題を抱えていたという。
これらを解決する新しい注文/決済システムとしてTTGが開発したのが、TTG-MONSTERである。来店した顧客はディスプレイ、またはタブレット端末上で好きな商品をメニューから選択し、横に設置された決済用端末で会計を済ませる。注文した内容は店舗キッチンにも送信される。現時点では交通系カードやクレジットカードのみが使えるが、2021年明けからは現金釣銭機にも対応する予定。さらに、オプション機能として簡易的なPOS機能を追加する他、既存のPOSとの連動も可能なため「やがては既存のPOSレジの役割を代替できるようになる」(阿久津氏)という。
注文/決済システムと端末との通信は光回線によるVPN接続で行う。「既存の決済システムにはシンクライアント式の決済端末を用いるものがある。これだと通信回線が不調な場合、端末が反応せず決済ができないなど、顧客が不便な思いをする可能性がある。TTG-MONSTERでは通信の必要なく決済が行える仕組みを導入しており、かつ、駅構内など人が多い地域ではつながりにくいLTE通信ではなく光回線を採用した。これによって、安定した決済環境を提供する」(阿久津氏)。新商品を追加した場合には、回線経由で端末のメニューがすぐにアップデートできる。
端末代は無料で、システム利用料は1台当たり月額3万5000円。なお、TTG-MONSTERの注文/決済システムのみを使ったモバイルオーダーにも対応しており、店外からスマートフォンなどで注文を行える。
注文/決済システムは、飲食店向け決済サービス開発を行うShowcase Gigと共同開発した。R.ベッカーズは2019年9月、同 池袋東口店にタッチパネル型の注文/決済用端末「O:der Kiosk」(オーダーキオスク)を設置している。O:der KioskはTTG-MONSTERに比べるとやや大型の端末機器だ。今回の田町店にはこのO:der Kioskに使用したのと同じ注文/決済システムを導入した。「田町店ではレジ担当店員の約半数を省人化する効果が確認された。また、来店した顧客の約半数近くがO:der Kioskを使用するなど、反応も良好だった。顧客単価も20%上昇した。目の前に店員がいない分、顧客がゆっくりとメニューを選べることと、注文の最終フェーズで『ご一緒にアップルパイはいかがですか』といった具合にサジェストを行ったことが影響しているようだ。こうした効果は、田町店でも同様に見込めるだろう」(阿久津氏)。
阿久津氏は今後の展開について「タブレット端末による注文システム自体は以前から存在するが、TTG-MONSTERはそれに決済システムを連携させた点が新しい。既に海外の有名レストランチェーンでは、店内に多くのタブレット端末が立ち並び、顧客はそれを操作するだけで商品を受け取れるという注文/決済システムを導入しているところもある。当社としては、国内でそうした飲食店のシステムを実現できるよう目指したい。特にコロナ禍では、経営が立ち行かない飲食店も多く、従業員を削減してワンオペで回している店舗も出てきているという。既に幾つかの飲食店から引き合いもあり、こうした状況を変えられるよう当社も努力していく」と意気込みを語った。2020年12月12日からは新潟県の「GALA湯沢スキー場」にも導入する予定という。
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