オートデスクは、「Autodesk Foundation」から中高生ロボコンチーム「SAKURA Tempesta」への寄付金贈呈式をオンラインで開催した。コロナ禍において、いち早く「Fusion 360」を用いて感染対策用フェイスシールドを作成し、医療機関などへの寄付活動を開始したことが高く評価された。
オートデスクは2020年10月20日、「Autodesk Foundation(オートデスク基金)」から中高生ロボコンチーム「SAKURA Tempesta」への寄付金贈呈式をオンラインで開催した。
Autodesk Foundationは、世界が直面する社会課題や環境問題に対して、革新的なソリューションの開発や創造的活動に取り組む非営利団体や起業家、設計開発者などへの支援を目的に2014年に設立された。支援内容は大きく「財政支援」「テクノロジー支援」「人財支援」の3つのカテゴリーに分けられる。財政支援では寄付金の贈呈を、テクノロジー支援ではソフトウェアの提供やオートデスクのエンジニアによる技術評価支援、レジデンシープログラムの提供を、人財支援ではオートデスク社員によるプロボノ(ボランティア)活動、学生支援制度、インターンシップ制度などを提供する。
オートデスク 代表取締役社長の織田浩義氏は、プロボノ活動の一例として、セネガルにおける取り組みを紹介。「オートデスクとアフリカで活動するNPO団体myAGROとで、セネガルの伝統的な種まき機(セモア)を分析し、3D設計ソリューションの『Fusion 360』を活用して改良するプロジェクトを実施した。このプロジェクトには日本からもオートデスク社員が参加し、壊れやすかったセモアの改良に取り組んだ」(織田氏)という。
Autodesk Foundationは、2020年6月時点で世界30以上の団体を支援し、900万米ドルの財政支援、3900万米ドル以上のソフトウェア提供(寄贈)を実施。さらには、オートデスク従業員によるボランティア活動に2万9000時間を当てている。
また、オートデスクは次世代を担う学生らの支援にも力を入れており、トレーニングやエンジニア教育の機会提供、学生/教員向けのソフトウェア無償提供、教員向けの学習教材の提供、資格制度の実施などに取り組む「Autodesk Education Community」を展開する。「このような学生支援活動により、この2年間で世界1200万人以上の学生がコミュニティーに参加している」(織田氏)とのことだ。
学生支援活動の意義について、織田氏は「学生たちはこれから先、エンジニアやデザイナーとして次世代を担っていく存在だ。そのため、そうした学生たちもオートデスクにとって重要なパートナーであると考えている」と述べる。そして、工業系分野における技術革新が急速に進む中、現在の教育課程と産業界で求められるスキルセットにギャップがあることを指摘し、「オートデスクとして、積極的に教育向けの情報提供を強化していく必要がある」(織田氏)との考えを示した。
こうした考えの下、オートデスクは日本でも積極的に学生支援を行っており、Fusion 360のジェネレーティブデザイン機能を活用したモノづくり事例が次々と生まれているという。
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