NVIDIA CEOのジェンスン・フアン氏は、オンラインで開催中の年次カンファンレンス「GTC 2020」の基調講演において、2020年9月に買収を発表した半導体IPベンダー大手・Armとのパートナーシップの方向性について言及した。
NVIDIA CEOのジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏は2020年10月5日(現地時間)、オンラインで開催中の年次カンファンレンス「GTC 2020」(開催期間:同年10月5~9日)の基調講演において、9月に買収を発表した半導体IPベンダー大手・Armとのパートナーシップの方向性について言及した。
まずフアン氏は、2019年6月にNVIDIAの並列コンピューティングアーキテクチャ「CUDA」がArmプラットフォームに対応したことを挙げ「そのパフォーマンスは高く、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)コミュニティーからの反応も上々だった」と述べながら、買収を決める以前から両社が良好な関係にあることを強調した。また、NVIDIAのAI(人工知能)コンピューティング技術を、Armのエコシステムに提供できるとした。
その上で、Armプラットフォームを進化させるための3つの取り組みを発表した。1つ目は、Armパートナーに対して、GPU、ネットワーク、ストレージ、セキュリティなどの技術を補完することによる、完全なアクセラレーションプラットフォームの構築である。
2つ目は、Armパートナーとの協力による、HPCやクラウド、エッジ、PC向けのプラットフォームの構築だ。これには、ICチップ、システム、システムを構成するソフトウェアが必要になるという。そして3つ目は、NVIDIAのAI技術や、GPUボード「RTXシリーズ」などに代表される「NVIDIA RTX エンジン」を、Armプラットフォームで利用できるようにすることである。
フアン氏は「現時点では、これらの技術はx86プラットフォームでしか利用できない。しかし、今回の取り組みによって、ArmプラットフォームはアクセラレーションコンピューティングとAIコンピューティングで最先端となるだろう」と述べている。
NVIDIAは2020年9月13日、ソフトバンクグループとソフトバンク・ビジョン・ファンドから約400億米ドルでArmを買収すると発表。そこから約3週間後の開催となるGTC 2020で、Armについてどのような発表を行うか注目されていた。
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