マクニカとマクニカネットワークスは2020年7月2〜3日と9〜10日の4日間、シンポジウム「Macnica Networks DAY 2020+macnica.ai」をオンライン形式で開催した。本稿では、マクニカ SIGモビリティソリューション事業部 プロダクトマーケティング1部部長の大竹勉氏による「自動運転の仕組みと活用〜施設内や私有地のモビリティ支える自動運転車はこうして作られる〜」の内容を紹介する。
マクニカとマクニカネットワークスは2020年7月2〜3日と9〜10日の4日間、シンポジウム「Macnica Networks DAY 2020+macnica.ai」をオンライン形式で開催した。同イベントそのものは今回で15回目を迎えるが、サイバーセキュリティ、DX(デジタルトランスフォーメーション)、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、スマート工場、清掃ロボット、自動運転車などをテーマにセッションを実施した。
この中で本稿では、マクニカ SIGモビリティソリューション事業部 プロダクトマーケティング1部部長の大竹勉氏による「自動運転の仕組みと活用〜施設内や私有地のモビリティ支える自動運転車はこうして作られる〜」の内容を紹介する。自動運転に関してマクニカが取り扱うセンシングテクノロジーやアルゴリズム、AI構築を支援する独自の支援プログラム、そして各地の実証実験でのユースケースなどについて解説する。
マクニカは半導体を中心とした技術商社として有名だが、同社のモビリティソリューション事業部では、自動運転開発を加速させるための自動運転車両の構築サービス、最先端のセンシングコンサルティングサービス、自動運転に欠かせないAIの構築および実証実験支援、MaaS(Mobility as a Service)サービスなどを展開している。自動運転が社会に導入されることにより、労働力確保、高齢者や人口減少地域の移動手段の確保、交通事故削減、環境保護などへの貢献が期待されている。そのため、自動運転技術の社会実装に向けて、各地でサービスの検証や実証実験などのさまざまな取り組みが進行中だ。
自動運転技術は、自車の動きや環境を認識するパーセプション(認知)と、判断と行動の計画をするプランニング、そしてこれらの計画を実際に反映させる制御に分かれる。
具体的には、LiDAR(Light Detection and Ranging)センサー、イメージセンサー、カメラ、レーダーなど各種センサーが取得したデータを収集し、自動運転ソフトウェア側に伝える。そのデータを基に自己位置や動き、環境を認識してクルマの動きについて判断と行動(操作)を計画し、車両側に制御信号を送りバイワイヤコントローラーが制御する、という形だ。
一方、運用側にも効率的な運用管理、適切なフリートマネジメントシステムなどの技術が必要となる。加えて、安全で安心な運転を実現するためには、車車間通信や運行システム側の通信、インフラとの連携なども必要となり、幅広い領域を巻き込んだ複雑なシステム構築が求められている。こうした技術の信頼性を高めるためには、各種の検証が重要になっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.