利用の流れは次の通り。まず、専用席に着席した顧客は専用のスマートフォンアプリを使って商品を注文、決済を行う。注文内容は店舗とDeliRoに同時送信され、商品が出来上がり次第、DeliRoは専用の停車スペースを発車して店舗前まで移動する。DeliRoの収納ボックスに店員が商品を入れると自動で発進し、顧客の元に向かう。
DeliRoが専用席まで到着したら、顧客はアプリ上に表示した商品受け取り用のQRコードをDeliRoの前面上部に搭載された読み取りセンサーにかざす。すると、注文した商品が入ったロッカーだけが開き、取り出しが可能になる。取り出してからロッカーの扉を閉めると、DeliRoは再び停車スペースへと戻っていく。
無人デリバリーサービスについて、ZMP 取締役 事業部管掌の西村明浩氏は「もともとはデリバリーサービスにおける配達員不足という課題を解決する目的で、デリバリーロボットの研究開発を進めてきた。しかし、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、非接触、非対面での接客サービスの需要が高まっており、こうしたニーズにも応える必要があると考えている」と語る。
報道関係者向けに実施した宅配デモンストレーションの最中には、商品受け取り時のQRコードをDeliRoが正確に読み取れなくなるという一幕があった。これについて西村氏は「真夏日など、日差しがあまりにも強い屋外環境下では、スマートフォンの液晶画面に太陽光が反射してしまい、QRコードが読み取りにくくなる可能性がある。日差しの強い時間帯は紙に印刷したQRコードで代用するなど、顧客側のUI(ユーザーインタフェース)に工夫の余地がありそうだ。こうした課題点を実証実験中に洗い出したい」と説明した。
また、実証実験の実現に向けてZMPと共同で取り組みを行ったJR東日本スタートアップ 代表取締役の柴田裕氏は「ZMPの自動運転技術はデリバリーだけでなく、交通の便に悩む地域住民のサポートなどといった街づくりにも適用できる可能性があり、幅広いシーンで活躍し得る。自動運転を活用したデリバリーサービスは利用データが蓄積されるほど使い勝手が改善しやすくなり、利便性も高まる。ZMPが多くの利用データを取得できるよう、当社も引き続き協力を進めたい」と期待を寄せた。
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