そばをLiDAR搭載ロボットが配膳、高輪ゲートウェイで無人デリバリーの実証実験サービスロボット(2/2 ページ)

» 2020年08月13日 14時00分 公開
[池谷翼MONOist]
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QRコードをかざして商品を受け取り

 利用の流れは次の通り。まず、専用席に着席した顧客は専用のスマートフォンアプリを使って商品を注文、決済を行う。注文内容は店舗とDeliRoに同時送信され、商品が出来上がり次第、DeliRoは専用の停車スペースを発車して店舗前まで移動する。DeliRoの収納ボックスに店員が商品を入れると自動で発進し、顧客の元に向かう。

顧客が専用アプリから注文し(左)、店舗側で調理が済むとDeliRoが停車スペースから発車する(右)[クリックして拡大]
到着したDeliRoに店員が商品を載せている様子[クリックして拡大] 到着したDeliRoに店員が商品を載せている様子[クリックして拡大]

 DeliRoが専用席まで到着したら、顧客はアプリ上に表示した商品受け取り用のQRコードをDeliRoの前面上部に搭載された読み取りセンサーにかざす。すると、注文した商品が入ったロッカーだけが開き、取り出しが可能になる。取り出してからロッカーの扉を閉めると、DeliRoは再び停車スペースへと戻っていく。

QRコードを表示したスマートフォンをかざすと(左)、ロッカーの扉が開き商品が取り出せる(右)[クリックして拡大]
ZMPの西村明浩氏 ZMPの西村明浩氏

 無人デリバリーサービスについて、ZMP 取締役 事業部管掌の西村明浩氏は「もともとはデリバリーサービスにおける配達員不足という課題を解決する目的で、デリバリーロボットの研究開発を進めてきた。しかし、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、非接触、非対面での接客サービスの需要が高まっており、こうしたニーズにも応える必要があると考えている」と語る。

 報道関係者向けに実施した宅配デモンストレーションの最中には、商品受け取り時のQRコードをDeliRoが正確に読み取れなくなるという一幕があった。これについて西村氏は「真夏日など、日差しがあまりにも強い屋外環境下では、スマートフォンの液晶画面に太陽光が反射してしまい、QRコードが読み取りにくくなる可能性がある。日差しの強い時間帯は紙に印刷したQRコードで代用するなど、顧客側のUI(ユーザーインタフェース)に工夫の余地がありそうだ。こうした課題点を実証実験中に洗い出したい」と説明した。

JR東日本スタートアップの柴田裕氏 JR東日本スタートアップの柴田裕氏

 また、実証実験の実現に向けてZMPと共同で取り組みを行ったJR東日本スタートアップ 代表取締役の柴田裕氏は「ZMPの自動運転技術はデリバリーだけでなく、交通の便に悩む地域住民のサポートなどといった街づくりにも適用できる可能性があり、幅広いシーンで活躍し得る。自動運転を活用したデリバリーサービスは利用データが蓄積されるほど使い勝手が改善しやすくなり、利便性も高まる。ZMPが多くの利用データを取得できるよう、当社も引き続き協力を進めたい」と期待を寄せた。

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