東芝デジタルソリューションズ(TDSL)は2020年7月16日、新たに取締役社長に就任した島田太郎氏がオンラインで記者会見を行い、東芝グループにおけるデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)への取り組みとその中でTDSLが果たす役割について説明した。
東芝デジタルソリューションズ(TDSL)は2020年7月16日、新たに取締役社長に就任した島田太郎氏がオンラインで記者会見を行い、東芝グループにおけるデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)への取り組みとその中でTDSLが果たす役割について説明した。
東芝は経営再建の流れの中で「社会インフラ」「エネルギー」の2つの事業と、これらを支える「電子デバイス」「デジタルソリューション」の2つの事業と合計4事業での取り組みを進めてきた。TDSLはこの「デジタルソリューション」を構成する企業である。
ただ、経営再建が着実に進み、成長フェーズに舵を切る中であらためて2020年6月には新事業セグメントを発表。2021年度からこれらの産業分野別の事業セグメントではなく機能別セグメントへと切り替える方針を発表した。具体的には、製品やデバイスなど以前からの製造業型ビジネスモデルである「デバイス・プロダクト」、各種インフラの初期構築を行う「インフラシステム」、これらのインフラを支え保守・更新・運用受託などを行う「インフラサービス」、そしてこれらから得られるデータ活用によるビジネスを展開する「データサービス」である(※)。
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TDSLはこれらの機能別へと切り替えられる中で、特に今後の成長領域と位置付けられている「インフラサービス」と「データサービス」を支える存在だと位置付けられている。島田氏は東芝 執行役常務 最高デジタル責任者(Chief Digital Officer)を務めているが、2020年4月1日からTDSLの取締役社長にも就任し、これらのデジタルサービスを積極的に推進していく方針だ(※)。
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島田氏は「差別化領域として展開するインフラサービスについても従来のように人手に頼った形では競争力を維持できない。CPS(サイバーフィジカルシステム)を活用することでデータを軸としたサービス領域に踏み込んでいく。そういう観点でTDSLはインフラサービスのデジタル化において中心的な役割を担う」と語る。
東芝ではCPS事業の位置付けとして「データセントリック」「自社アセットを活用できること」「ライトアセット」「リカーリングモデル」の4つを条件とし、これらにより高収益で高成長な事業の構築を目指している。「サイバー企業が中心のデータ1.0の時代から、サイバーtoフィジカルのデータ2.0の世界に入る。その中でインフラシステムなどを担い、社会のさまざまなところにタッチポイントを持つ東芝の強みは生かせるはずだ」と島田氏は考えを述べている。
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