3D Systemsは、「Geomagic Design X」と「Geomagic Wrap」の新バージョンを発表した。ワークフローを合理化し、精度と効率性を向上する拡張機能を搭載しており、市場投入までの時間を短縮する。
3D Systemsは2020年5月19日、リバースエンジニアリングソフトウェア「Geomagic Design X」と、3Dスキャニングソフトウェア「Geomagic Wrap」の新バージョンを発表した。
Geomagic Design Xの新バージョン「Geomagic Design X 2020」は、アンロール機能、リロール機能を備え、複雑な回転部品にも対応できる。エンジニアは、メッシュ処理ツールのスイートを用いてメッシュをアンロールし、自動的に抽出した2Dスケッチに必要な修正を施した後、エンジニアリング用にスケッチをリロールできる。これにより、何度も試行したり、加工したりといった作業の手間が減り、効率性が94%向上するほか、部品の精度やCAD下流工程でのユーザビリティが大幅に向上する。
Geomagic Design X 2020のもう1つの新機能は、セレクティブサーフェス機能だ。ハイブリッドモデリングプロセスを簡素にして、実際に形にするのが困難な部品に、オーガニックフィーチャーと幾何形状フィーチャーを備えた簡単なワークフローを提供する。高速オーガニックサーフェスと精度の高いフィーチャモデリング手法を組み合わせた同機能によって、下流CADでの再利用性が高まり、生産性も向上する。
Geomagic Wrapは、3Dスキャンデータを3Dモデルに変換できるツールセットで、最新版となる「Geomagic Wrap 2021」では、自動化機能が強化されている。スクリプト作成の自動化やテクスチャ操作などの機能が設計を高速化し、市場投入までの時間を短縮する。
Geomagic Wrap 2021の新スクリプトエディターは、ワークフローを独自のアプリケーションに合わせてカスタマイズできる。PythonでGeomagic Wrapのカスタム機能にアクセスすれば、「オートコンプリート」「コンテクストハイライト」といった新しいツールでよりシンプルに操作できるようになり、正確な3Dサーフェスモデルの設計を高速化する。
Geomagic Wrap 2021は、カラースキャンやテクスチャスキャンなどワークフローを合理化する新しいテクスチャ操作ツールも搭載する。これまで複雑なオブジェクトをスキャンする際には編集用の追加プログラムなどが必要だったが、Geomagic Wrap内で複雑なジオメトリを直接処理する、より堅牢なテクスチャマップ操作ツールを含むため、ワークフローが合理化され、品質の高い論理的なテクスチャマップが作成できる。また、きれいなメッシュを作成できるように、点群から3Dデータを構築する強力な方法を提供する、新しいHDメッシュ構築法も備える。
Geomagic Design X 2020は、同年5月下旬に一般提供を予定している。リリース直後にメンテナンス契約中であるユーザーは、開発初期段階の機能とプレビューのためのフレームワークを通じて提供される、最初のアドインパックにアクセスできる。Geomagic Wrap 2021の一般提供は、同年7月下旬の予定だ。
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