アイリスオーヤマが監視カメラ市場参入、高速顔認識AIを搭載しH.265+にも対応人工知能ニュース

アイリスオーヤマはAIアルゴリズムを搭載したネットワークカメラ「AIカメラ」を発売。0.2秒での顔認識を実現した他、データ通信量を従来比100分の1に抑えている。

» 2020年04月16日 08時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 アイリスオーヤマは2020年4月13日、AIアルゴリズムを搭載したネットワークカメラ「AIカメラ」を発売すると発表した。AIカメラのラインアップは全20機種で、同時にビデオレコーダー8機種も発売する。販売開始日は同年4月20日。

ネットワークカメラにAIアルゴリズムを組み込んだ「AIカメラ」[クリックして拡大]出典:アイリスオーヤマ ネットワークカメラにAIアルゴリズムを組み込んだ「AIカメラ」[クリックして拡大]出典:アイリスオーヤマ

 高解像度の映像撮影を可能にする4K UltraHDクオリティーレンズを採用したネットワークカメラにAIアルゴリズムを組み込んだ。これにより、撮影した映像内の人物を瞬時に検出して、0.2秒と短時間で人物の顔認識を実行できる。なお、マスク着用時でも顔認識は可能。認識した人物の映像から、その人物の年齢や性別、身長、髪形、服装を瞬時に認識し、属性別に自動で分類を行う。展示会などの来場者の傾向を把握するマーケティングなどの用途での活用が見込まれる。

顔認識は0.2秒で実行し、年齢や性別、身長などの属性を自動認識する[クリックして拡大]出典:アイリスオーヤマ 顔認識は0.2秒で実行し、年齢や性別、身長などの属性を自動認識する[クリックして拡大]出典:アイリスオーヤマ

 また、ネットワークカメラ本体にAIアルゴリズムを直接組み込んでいるので、クラウド上で各種機能を実現するアプリケーションにAIによる映像分析結果だけを伝達してネットワーク回線の負担を低減できる。加えて、従来のネットワークカメラのデータ圧縮方式である「H.264」ではなく、より高圧縮が可能な圧縮方式「H.265+」を採用。これらの工夫によってAIカメラは、H.264を用いたネットワークカメラと比較して、データ通信量を100分の1程度に抑えることが可能となった。

 AIカメラには人物の属性認識機能の他にも、小売店などの顧客の滞在場所や時間をサーモグラフィーで可視化する「顧客動線ヒートマップ」、事前にブラックリストに登録した人物をAIが検知した際に知らせる「不審行動・不審者アラート」といった機能がある。また人物だけでなく、車両番号や車体を認識して記録する「車両認識・管理」機能も搭載した。H.265+の採用により高解像の映像を撮影できるので、ナンバープレートなどの文字をはっきりと識別できるとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.