熱伝達率は、前回も説明したように、ヌセルト数やプラントル数などで表現できますが、ヌセルト数は層流熱伝達の場合と乱流熱伝達の場合で、それぞれ以下のような式で表せます(式2、式3)。Nuはヌセルト数、Prがプラントル数です。
熱伝達率とヌセルト数などを関連付けて以下の式で表すことができます(式4)。αは熱伝達率、Lは代表長さ、λは空気の熱伝導率です。
それでは、式4を使って、簡単な例で熱伝達率を求めてみます。
今回の例では、前回の自然対流の解説で取り上げたモデルを用いて、一辺の長さが100mmの立方体を考えてみます。流速は秒速10m(10m/s)とします。最初に、層流と乱流のどちらの式を当てはめるかを考える必要がありますので、レイノルズ数を計算します(式5)。
レイノルズ数とヌセルト数の式と組み合わせると式6のようになり、熱伝達率αは前述の式を組み合わせて次のように展開できます。
そして、この式の中の熱伝達率αを左辺に持ってくるように式を変形すると、式7のようになります。
この中のU∞とLを変数のままにしておくと、この式はさらに、
となります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.