さまざまな影響を及ぼしている新型コロナウイルス。製造業も例外ではなく、採用現場でもWeb面接化や合格率の下降傾向など変化が表れている。このよう状況下における転職活動について、転職コンサルタントに話を聞いた。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、私たちの仕事にも生活にも、さまざまな影響を及ぼしている。部品の調達や、海外拠点の稼働状況など、製造業も例外ではない。では中途採用の状況や選考方法などにも、影響は現れているのだろうか。自動車業界専門転職サイト「オートモーティブ・ジョブズ」を展開するクイックの人材紹介事業本部 自動車チーム マネージャーの関寺庸平氏に、採用状況の変化や各社の対応を聞いた。
関寺氏は「あくまでも現時点(2020年3月4日取材時)の状況だが、結論から申し上げると、採用は各社の計画に則り、これまでどおり継続して行われている。ただ『3月はいったん面接を見合わせる』という慎重な判断をしている企業も、数社のみではあるが出てきている。今後の景気動向や生産状況を見通せないことが理由だ」と現在の状況を語る。
新型コロナウイルスという想定外の事態ではあるものの、採用を行っている企業が人を必要としていることに変わりはない。仮に今は生産が滞っていたり、他に対応しなければならないことが多々あるとしても、中長期的には人材不足による事業への影響は大きいため、採用を止めてしまうとは考えにくい。関寺氏は「とはいえ、今後各社がどういう判断をするかは分からない。相談に来られる方には『具体的に興味のある会社があるならば、早めにアプローチした方がいい』とアドバイスしている」という。
選考方法はどうだろう。「ほとんどの企業が、ビデオ通話、ビデオ会議などの仕組みを利用したWeb面接に切り替えている」と関寺氏。昨今は、海外とのミーティングなどにビデオ会議を利用することも多いため、企業側、求職者側ともに、スムーズに対応できているようだ。しかし「うまくつながらない」ということもあり、急きょ、電話面接に切り替えられることもあるという。
一方、合格率に関して関寺氏は「まだ明確な傾向というほどではないが、合格率が若干下がっているという印象。Web面接によるミスコミュニケーションもあるかもしれないが、以前からの景気後退局面が加速するのではないかという懸念から、採用基準が引き締められている可能性がある」と指摘する。
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