電通国際情報サービス(ISID)は、RescaleのクラウドHPCシミュレーションプラットフォーム「ScaleX」を用いて、日産自動車のクラウドHPC/CAE環境を構築したことを発表した。
電通国際情報サービス(以下、ISID)は2020年3月4日、RescaleのクラウドHPC(High Performance Computing)シミュレーションプラットフォーム「ScaleX(スケールエックス)」を用いて、日産自動車(以下、日産)のクラウドHPC/CAE環境を構築したことを発表した。
今回構築したクラウドHPC/CAE環境は、自動車の衝突解析や流体解析といった大規模演算処理を必要とするシミュレーションをクラウド上のHPC環境で実行するもので、2019年11月から本格稼働を開始している。
ピーク時に数万コアを同時処理できるScaleXを活用した解析システムとして「国内最大規模の事例」(ISID)だとし、検証ケースが多岐にわたる複雑な解析や、大量のデータを解析する時間が大幅に短縮できるという。
なお、現在は日産の自社環境と組み合わせてシームレスに利用できる構成としているが、将来的にはクラウドの全面活用を視野に、段階的に移行を進めていく計画だとする。
日産は、製品の多様化、短納期化、複雑化に伴う解析ニーズの増大に応えるべく、かねてより本格的なクラウドHPC/CAE環境の活用を検討していた。しかし、自社環境とのシームレスな連携や段階的な移行を実現するには、大規模なシステム開発が避けられないという認識を持っていた。
このような状況の中、日産はISIDの日本市場におけるクラウドCAE環境の構築実績やCAEとクラウドの統合に関する豊富な知見を高く評価し、クラウドHPC/CAE環境構築のパートナーとして、ISIDを選定したという。
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