富士ソフトは、「第4回スマート工場EXPO」において、オープンソースの「ROS」をベースとする産業用ロボットシステムプラットフォームを展示した。NEDOの2017〜2019年度のプロジェクトで日本電産と共同開発を進めており、産業用ロボットの導入や構築をより簡単かつ安価にすることを目指している。
富士ソフトは、「第4回スマート工場EXPO」(2020年2月12〜14日、東京ビッグサイト)において、オープンソースの「ROS」をベースとする産業用ロボットシステムプラットフォームを展示した。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の2017〜2019年度のプロジェクトで日本電産と共同開発を進めており、産業用ロボットの導入や構築をより簡単かつ安価にすることを目指している。
ROSは、主にサービスロボットの開発などに用いられているロボット開発用のソフトウェアプラットフォームだ。近年では自動運転車の開発などにも適用されている。富士ソフトと日本電産が参画するNEDOのプロジェクト「次世代FMS(フレキシブル生産システム)を実現する再利用性の高いハードウェアプラットフォーム開発」では、ROSに対応した産業用ロボットのプラットフォームを開発して、ソフトウェアの再利用性を向上するとともに、ロボットアームだけでなくロボットハンドやカメラ、センサー、操作用タブレット端末などを幅広くつなげていくことを目指している。
展示では、減速機メーカーである日本電産がNEDOプロジェクト向けに開発した産業用ロボットと、ROSに対応しているデンソーウェーブの協働ロボット「COBOTTA」、コンベヤーなどを組み合わせ、ピック&プレース、パレタイジングを行うデモンストレーションを披露した。サイコロとペットボトルの蓋を3Dカメラで形状認識し、サイコロの場合は所定の場所に置き、ペットボトルの蓋は別の場所に移すという内容である。
3Dカメラによる形状認識については、富士ソフトのAI(人工知能)技術を活用しているものの、ベースはオープンソースソフトウェアになる。「ROSをはじめとするオープンソースソフトウェアの活用により、産業用ロボットの高コスト化の要因となっているソフトウェアの再利用性の低さや、それに伴うロボットSIの複雑さを緩和できるのではないか。NEDOのプロジェクトは間もなく終わるので、2020年度以降は事業化できるようにしていきたい」(富士ソフトの説明員)という。
なお、展示デモで用いているROSベースのソフトウェアはGitHubで公開されている。
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