英国の2035年の新車販売規制は「決定事項ではない」、トヨタはHVの貢献度を強調製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

» 2020年02月07日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
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英国が2035年にガソリン車販売禁止? トヨタはどう向き合うのか

 2020年3月期第3四半期累計(4〜12月期)の決算は、売上高が前年同期比1.6%増の22兆8301億円、営業利益が同6.2%増の2兆587億円、当期純利益が同41.4%増の2兆130億円で増収増益だった。9カ月間の連結販売台数は、「RAV4」や「カローラ」といった新型車の販売が日米欧で好調で、前年同期から12万9000台増の683万台となった。アジアでは4万台減となったが、日米欧とその他地域は増加した。

 2019年4〜12月期の営業利益は為替変動の影響で前年同期比2500億円減のマイナス要因となったが、為替やスワップなどの影響を除くと2200億円のプラスを確保した。研究開発費を積極的に投入した一方で、原価改善活動や販売諸費用の効率化、金融事業の改善などが増益に貢献した。

 2019年4〜12月期の地域別の営業利益は、北米と欧州が増益、日本とアジア、その他地域は減益となった。北米は営業面の努力や諸経費の低減を始めとする「全方位の活動」により営業利益は前年同期から1648億円のプラスだった。アジアの営業利益は中国元安やタイバーツ高の影響で前年同期比659億円減となったが、為替の影響を除くと109億円のプラスだったという。

2019年4〜12月期の地域別の営業利益(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車
トヨタ自動車のディディエ・ルロワ氏(クリックして拡大)

 販売の取り組みについてトヨタ自動車 副社長のディディエ・ルロワ氏は「ハイブリッド車(HV)の普及とともに各地域で安定して成長している」と語った。中国では、「レビン」「カローラ」のフルモデルチェンジなどが貢献し、市場の成長率を上回って販売台数が伸びた。

 欧州でも、販売店にHVへの理解を深めてもらい、ディーゼル車と比べたHVの強みを消費者にアピールしながら、地道にHV比率を引き上げている。米国では、HV技術のパワフルなイメージを訴求し、RAV4のハイブリッド比率を従来より14%高めた。

 ルロワ氏は、英国政府がHVを含むガソリン車やディーゼル車の新規販売を禁じる期間を2035年に前倒しするとの報道についてもコメントした。

 「英国政府からは、この目標時期は決定事項ではないと聞いている。この案を基に今後6カ月間で自動車メーカーやステークホルダーとの協議が始まる。2035年に特定の車両の販売禁止を実行すれば、自動車メーカーにもお客さまにも問題になるだろう。急に1つの技術に移行して他を規制するようなやり方ではなく、段階を踏むことが必要だと考えている。その中で、将来のエコカーは燃料電池車や電気自動車、HVなどそれぞれが補完し合いながら市場を構成するのではないか。HVは手ごろな価格で手に入り、実用的で信頼性が高い。世界レベルで普及し、グローバルでのCO2排出削減に貢献している。英国政府が計画を前倒しするのは大きなチャレンジだ。これをどうサポートできるか、まだ検討していく段階だ」(ルロワ氏)

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