デンソーウェーブの協働ロボット「COBOTTA」を利用したソリューションとして話題となっていたのは、日立キャピタルらが開発した押印ロボット。IT化の遅れの“象徴”ともいえるハンコを、最先端のロボットがペタペタ押すのはややシュールな画であるが、同社の調査にれば、これは自動化のニーズが最も高かった1つだという。
押印を簡単に廃止できないのは、相手がある習慣だからだ。自社が先にペーパーレス化しても、取引先から押印を求められれば、対応せざるを得ない。過渡期ならではのニーズといえるだろう。
同社は、サイバー空間のロボットともいえるRPA(Robotic Process Automation)と、フィジカル空間のロボットを組み合わせれば、オフィスのさまざまな業務の自動化が可能とみる。ニーズが大きかった書面電子化と押印の機能は基本プログラムとして実装し、その他の機能については個別に追加する。2020年3月より、月額制のサービスとして提供を開始する予定だ。
タレントのいとうまい子氏が紹介していたのが、エクサウィザーズの介護予防ロボット「ロコピョン(LocoPyon)」。運動不足による筋力の低下は、介護の大きな原因となる。これは、シャープの「ロボホン」を活用したシステムで、毎日一緒にスクワットしてもらうことにより、それを防ごうというものだ。
筋肉や関節の機能が低下した状態は「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」と呼ばれる。高齢者は転倒への不安などで外出を避けがちだが、そうなるとさらに筋力が低下し、転びやすくなるという悪循環に陥ってしまう。従来は、運動を促すために職員が電話をかけていたが(ロコモコール)、人手には限界がある。
ロコモコールの代わりとなるのがロコピョンだ。かわいい外見のロボットを使うことで、親しみを持ってもらいやすい。モチベーションを上げるため、スクワットのレベルを判定する機能も用意した。いとう氏は、「介護ばかりが重視されがちだが、介護状態にならないよう予防してもらうのが一番」と普及への期待を込めていた。
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