OEGにおけるカーエレクトロニクステストの依頼は、大半はティア1、ティア2サプライヤーからだという。
「自動車メーカーの試験項目は非常に多く企業ごとに異なっている。これらを全て試験するのは非常に大変なので、当社のような外部に委託するという流れがいちばん多い。自動車メーカーからの依頼は研究開発部門が中心だ」と中嶋氏は語る。また、現状では国内メーカーが中心だが、海外メーカーが日本の基準に合わせるために依頼してくるケースなども増えているという。
試験項目としては、基本的な防塵(じん)、防水についてのものが大半を占める。加えて「最近では腐食系への試験が多くなってきている。従来は電子制御機器などはあまり耐環境性性を考える必要がなかったが、EVなどでは居住性をよくするために車室の下に制御機器を配置するケースなども増えてきている。そのため制御機器でも塩水などによる腐食への対応が求められるようになってきている。またエンジンルーム内で発生しやすい硫黄ガスへの腐食対策なども最近は問い合わせが多い」(中嶋氏)。
評価依頼を受ける製品の大型化なども進んでいるという。「以前は部品単位の試験で予測できることも多かったが、機器が複雑化する中で部品単位に加えてモジュール単位やユニット単位で試験したいという声が高まっている。例えば、ブレーキユニットにECUを付けた状態でテストを行いたいとする声などもある。こうした需要にも応えるため、大型の製品でも評価できる設備を導入した」と中嶋氏は語っている。
今後については「5G関連の需要が大きく増えるだろう」と橋本氏は語る。「既に5G関連部品はいろいろリリースされており、汎用部品などでの問い合わせなどは増えてきている。車載用途で5Gに関係する部品を検証しようという動きなども出始めている。道路や信号機などのインフラ系もこうした研究には力を入れており、自動車の外との通信については、従来とは異なるユーザー層なども広がる。5G関連は今後数年間で大きく成長すると予測している」と中嶋氏は期待を寄せる。
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