それでは、競技の結果についてお伝えしよう。まずはアドバンストクラスだ。
競技コースは、前半の走行エリアと、後半のゲームエリアに分けられる。前半はライントレースによりゴールまで走行し、そこで走行タイムを確定。後半のゲームでボーナスタイムを獲得し、走行タイムから引いた「リザルトタイム」で順位を争う。なるべく早くゴールした上で、ゲームでしっかり満点を狙うのが基本的な戦略だ。
今回のゲームは、初めて導入された「ブロックビンゴ」である。3×3のマス目の中に、4色の円が描かれており、その色と同じブロックを置くことができれば得点となる。このとき、ブロックを3個並べるとビンゴが成立、作った列の数(最大4)に応じたボーナスタイムも獲得できる。
さらに、コース脇に置かれた固定カメラを使って、マス目の横の数字カードを認識。その番号のマス目に黒いブロックを置くことができれば、追加でボーナスを得られる。なおブロックの初期位置は毎回ランダムに決まるため、その初期位置もカメラを使って認識する必要がある。
パーフェクトだと29.5秒ものボーナスタイムを得られるのだが、難易度的にはかなり高いため、多くのチームが苦戦。出場14チーム中、パーフェクトを達成できたのはわずか4チームだけだった。
中でも圧巻だったのは「たかばーす」(日立オートモティブシステムズ)だ。このチームは今回唯一、2回ともパーフェクトを達成。あまりにも自然にブロックを運ぶため、まるでゲームが簡単なように見えてしまうが、他のチームに比べると、とにかく動きが安定していて早い。走行も14.3秒と早く、リザルトタイムは文句なしの1位だった。
1回目の走行では、最後に登場した「土浦れんこんさんチームR」(日立建機)もパーフェクトを達成。走行タイムが15.1秒と、わずかに及ばなかったのだが、2回目の走行ではすでに2位以上が確定していたため、「リミッターを外した」走行にチャレンジ、あえなくリタイアとなったものの、新ルールで早速会場を盛り上げていた。
順位 | チーム名 |
---|---|
1位 | たかばーす(日立オートモティブシステムズ) |
2位 | 土浦れんこんさんチームR(日立建機) |
3位 | KAMOGAWA(京都高等技術専門校システム設計科) |
表 アドバンストクラスの競技結果 |
なお今回の走行体は3輪型の「HackEV」で、前回とほぼ同じ仕様なのだが、ジャイロの向きがピッチ軸からヨー軸に変更された。方向の検出に利用することが可能になり、エンコーダーと合わせて、精度の向上に活用していたチームもあったようだ。
総合結果では、「デンソルジャー」(デンソー)が優勝。同チームは競技自体は4位だったものの、モデル審査で最高評価を受け、合計で大逆転を果たした。同チームは2回目の走行でパーフェクトを達成。新ルールの影響で順位こそ4位にとどまったものの、2回とも安定した走行をそろえてきたのは見事だった。
順位 | チーム名 |
---|---|
1位 | デンソルジャー(デンソー) |
2位 | 土浦れんこんさんチームR(日立建機) |
3位 | NKHSオールスターズ(日本工学院北海道専門学校情報処理科) |
表 アドバンストクラスの総合結果 |
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