ミネベアミツミは、「2019国際ロボット展(iREX2019)」において、ルネサス エレクトロニクスと共同開発したロボット用モーターソリューションを展示。新方式のレゾルバ付きステッピングモーターにより、低速から高速まで高精度かつ静粛な制御を行うことが可能で、小型搬送機、サービスロボット、産業用ロボット、介護ロボット向けに提案する。
ミネベアミツミは、「2019国際ロボット展(iREX2019)」(2019年12月18〜21日、東京ビッグサイト)において、ルネサス エレクトロニクスと共同開発したロボット用モーターソリューションを展示した。新方式のレゾルバ付きステッピングモーターにより、減速機を用いないギヤレスでありながら、低速から高速まで高精度かつ静粛な制御を行うことが可能で、小型搬送機、サービスロボット、産業用ロボット、介護ロボット向けに提案する。2020年1月からサンプル提供を始め、同年4月には量産を開始。2023年度に月産100万台という意欲的な目標を掲げている。
このロボット用モーターソリューションは、ミネベアミツミが開発した電流検出方式に基づくレゾルバを搭載するステッピングモーターと、ルネサスが開発した電流検出方式に対応するRDC(レゾルバデジタルコンバーター) ICとマイコン「RX24T」を中核とする制御ソリューションから構成されている。
レゾルバはモーターの磁極位置を検出する回転角センサーだ。その位置検出方式は、電圧検出方式と電流検出方式の2種類がある。ハイブリッド車や電気自動車の駆動用モーター向けのレゾルバをはじめ広く用いられている電圧検出方式は、ノイズに強いなどの特徴があるもののコイルを2層巻きにする必要がある。
一方、今回のステッピングモーター向けに開発した電流検出方式のレゾルバは、コイルを1層巻きで済ませられるため、小型化や薄型化、加工の容易さがメリットになる。特に、主要市場に位置付けるロボットに内蔵するモーターとしては、これらのメリットが効果を発揮する。
ミネベアミツミとルネサスは、この電流検出方式レゾルバを用いたステッピングモーターの制御ソリューションの開発に向けて2017年6月から協業を開始。電圧と電流の両検出方式に対応する新開発のRDC ICは、マイコン「RX24T」との組み合わせ制御により、高速応答とコスト改善を実現した。
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