ロボットに搭載するモーターを検討する場合、出力の小さい小型の場合にはブラシレスモーターやDCモーターが検討される一方で、より出力の大きいモーターとしては高価なACサーボモーターが候補に挙がることが多い。これらに対して、ミネベアミツミが高いシェアを持つステッピングモーターがロボット用に検討されることは少なかった。
ミネベアミツミ 技術本部 電子機器技術開発部門 技術役員の鈴木克敏氏は「オープンループ制御での位置決めが得意なステッピングモーターだが、脱調や騒音、消費電力の高さ、そして何よりモーターとしてマイナーなこともあって、あまりロボットには採用されてこなかった」と説明する。
しかし今回のロボット用モーターソリューションは、1〜3000rpmまでの低速から高速まで切れ目なく高精度で滑らかな位置制御が可能で、20万P/Rの分解能を実現している。「モーターの故障と騒音はギアに起因していることが多い。そういった観点で、ギアを使わないダイレクト駆動も大きな特徴になるだろう」(鈴木氏)。これらの特徴により、ロボットに必要なフィードバック制御の用途で大きな需要が見込めると想定している。
ルネサス エレクトロニクス IoT・インフラ事業本部 IoTプラットフォーム事業部 IoTコアテクノロジー部 部長の亀川秀樹氏は「ブラシレスモーターやDCモーター、そしてACサーボモーターの中間にある領域にズバリと当てはまるソリューションと考えている。中小型ロボットの普及を進める上でも必要不可欠なものになるのではないか」と強調する。
2020年1月に発売する評価キットも、42mm角のレゾルバ付きステッピングモーターと評価基板、開発支援ツールなどをパッケージにして6万円という戦略的な価格設定を行っている。
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