シミュレーションの精度を高めるために非定常計算の性能を高めていくことと併せ、「データ科学分野との融合を図っていくことが、今後の自動車業界のシミュレーションにおいて大きな方向性となる」と坪倉氏は述べた。データ科学との融合に関しては、データ構造的にまだ課題があるという。
これまで京でのシミュレーションは風洞実験の代替を目指してきたが、ポスト京である富岳では、実走行状態の車のセンサーからリアルタイムにデータを取り込んで、バーチャル車両を作り上げる、いわゆる「デジタルツイン」への取り組みを目指していくことになるという。
最後に坪倉氏は、バーチャルな車両を目の前にして、デザイナーと設計者が打ち合わせをする様子をビデオで紹介した。今回紹介した研究を進化させていくことで実現可能な仕組みであり、「これが実現すれば、モノづくりは大きく変わるのではないか」と坪倉氏は講演を締めた。
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