仮想実験室からデジタルツインへ、富岳が実現する自動車業界のCAEの形とはVINAS Users Conference 2019(4/4 ページ)

» 2019年10月29日 13時00分 公開
[小林由美MONOist]
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将来の自動車設計

 シミュレーションの精度を高めるために非定常計算の性能を高めていくことと併せ、「データ科学分野との融合を図っていくことが、今後の自動車業界のシミュレーションにおいて大きな方向性となる」と坪倉氏は述べた。データ科学との融合に関しては、データ構造的にまだ課題があるという。

 これまで京でのシミュレーションは風洞実験の代替を目指してきたが、ポスト京である富岳では、実走行状態の車のセンサーからリアルタイムにデータを取り込んで、バーチャル車両を作り上げる、いわゆる「デジタルツイン」への取り組みを目指していくことになるという。

 最後に坪倉氏は、バーチャルな車両を目の前にして、デザイナーと設計者が打ち合わせをする様子をビデオで紹介した。今回紹介した研究を進化させていくことで実現可能な仕組みであり、「これが実現すれば、モノづくりは大きく変わるのではないか」と坪倉氏は講演を締めた。

図11 バーチャルな車両を前にしてデザイナーと設計者が打ち合わせする様子【1】(出典:理化学研究所 計算科学研究センター) 図11 バーチャルな車両を前にしてデザイナーと設計者が打ち合わせする様子【1】(出典:理化学研究所 計算科学研究センター)
図12 バーチャルな車両を前にしてデザイナーと設計者が打ち合わせする様子【2】(出典:理化学研究所 計算科学研究センター) 図12 バーチャルな車両を前にしてデザイナーと設計者が打ち合わせする様子【2】(出典:理化学研究所 計算科学研究センター)
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