キヤノンとデンマークのユニバーサルロボットは2019年8月27日、生産現場の自動化支援で協業することを発表した。ユニバーサルロボットが展開する協働ロボットと組み合わせてプラグ&プレイで使用できるプログラム「Universal Robot +(以下、UR+)」にキヤノンが日本企業で初めて参加し、製品を展開する。
キヤノンとデンマークのユニバーサルロボットは2019年8月27日、生産現場の自動化支援で協業することを発表した。ユニバーサルロボットが展開する協働ロボットと組み合わせてプラグ&プレイで使用できるプログラム「Universal Robot +(以下、UR+)」にキヤノンが日本企業で初めて参加し、製品を展開する。
ユニバーサルロボットは2005年にデンマークで創業した協働ロボット専業のベンチャー企業である。人と協調して働く協働ロボット市場を切り開いた企業として知られ、2019年6月末時点で全世界で延べ3万7000台の協働ロボットを供給している。日本でも自動車産業や電子電機産業などで導入が進んでいる他、食品や製薬化学などでも採用が始まっているという。
ユニバーサルロボット 日本支社代表 山根剛氏は「日本でも本格的に導入が拡大してきた手応えを感じている。先進的な中小製造業では導入が増えていたが、大手の自動車メーカーなどでは2018年前半までは実証段階のものがほとんどだった。2018〜2019年にかけて、ようやく本格導入が進み始めたところだ」と導入状況について語っている。
ただ、ロボットのシステムインテグレーターの不足や専門技術者の不足(※)が指摘されている中で、協働ロボットのさらなる普及を考えた場合、より簡単に使いやすく、実装しやすいものにする必要がある。
(※)関連記事:ロボットのシステムインテグレーターは魅力ある仕事か「もうかるとはいえない」
そこで、ユニバーサルロボットが展開しているのが「UR+」である。「UR+」はユニバーサルロボットのロボットアームの仕様やインタフェースをオープンにし、それらに準拠するエンドエフェクター(ハンド)やカメラ、センサーなどの周辺機器をデベロッパーが開発。ユニバーサルロボットが開発されたものを検証、認証し「UR+」製品としてグローバルで販売するという仕組みだ。基本的には「UR+」製品は、URロボットのティーチングペンダントを通して設定できるため、ユーザーやシステムインテグレーターがシステム構築などにかかる費用やコストを削減できるという利点がある。
山根氏は「ユニバーサルロボットは基本的にはロボットアームの開発に特化するということが前提としてある。それ以外のハンドやセンサーカメラ、これらに伴うソフトウェアなどはパートナーからの提供を促し、URエコシステムを構築していくというのが目指す姿だ。UR+製品は電気、メカ、ソフトのインタフェースがユニバーサルロボットの協働ロボットに最適化されているのが条件。エンドユーザーがより使いやすい世界を構築していく」と語っている。
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