競技には、今回から新たな課題として「救助を待つダミヤンに支援物資を届ける」タスクが追加された。指定された位置に支援物資のオブジェクトを置けば、ダミヤンのフィジカルポイントが少し回復する。服部さんによると、実際の災害現場でも救出に時間を要するときには、ガレキの隙間などから懐中電灯やペットボトル、糖分を補える食ベものなどを届けるそうだ。
新たに支援物資設置用の機構を作るチームもあったが、ガレキ除去のアームやダミヤン救出用のベルトコンベアを活用するチームも多かった。ロボットに搭載されるカメラから送られてきた映像では距離感がつかみづらいため、ロボットアームを動かし正確にオブジェクトを置くのは難しい。高い位置でハンドを開いてしまい、支援物資が転がり落ちてしまうケースも見られた。控え室では「フィードバック制御で台座に置けたことを確認できるようにしたい」という改善案も聞かれた。
レスキューHOT君(近畿大学 ロボット工作研究会)は、距離感の問題を解決するため目視に近い形でオペレーティングができるようロボットに2つのカメラを搭載し立体視を実現した。映像に奥行きを持たせ、オペレータがダミヤンやガレキとの距離感を正確に把握できるようになったという。
もう1つの新課題は「段差ガレキ」だ。高さ10cm程の木片が固定されており、動かせないガレキを模している。このガレキをどう乗り越えるかが課題となる。今年はクローラー式ロボットが増えていたが、苦戦するチームが多かった。その中で難なくクリアしてみせたのが「OUS/RT (岡山理科大学)」の1号機だった。全身がクローラーの芋虫のような機体を上下左右に湾曲させ、ガレキはもちろん斜面も乗り越えるバツグンの操作性を見せた。
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