救助対象のダミヤンはガレキに埋もれていたり、倒壊した2階建ての家に取り残されたりしている。ダミヤンは全身にセンサーが搭載されており、アームで強く握られたり首を固定せずに宙づりになったりすると“痛み”を感じてフィジカルポイントが減少する。服部さんは「要救助者の痛みが可視化できるのはいいですね! 我々の訓練にもシステムを取り入れたい」と語っていた。
ダミヤンに衝撃を与えずに救助したり安全に素早くガレキを除去したりするため、マスター/スレーブ機構のロボット操縦システムを取り入れるチームが増えてきた。とくふぁいの3号機は垂直多関節アームを搭載している。オペレーターの腕の角度がアームの角度に、人差し指の曲げ伸ばしがハンドの開閉が対応。オペレーターは右手でアームを、左手はゲームパットで移動機構を操縦していた。
一方、レスキューやらまいかの1号機は双腕ロボットだ。この場合、マスター/スレーブ機構で双腕を操縦すると、移動機構をどのように操縦するかが問題となる。2018年度大会では1台のロボットを移動機構とアームそれぞれのオペレーターが担当していた。しかし、オペレーター同士の意思の疎通がタイムラグとなり操縦に難があったそうだ。今年はフットコントローラーを導入し、1人で操縦できるように改良。「微妙な位置決めがしやすくなり、ダミヤンを迅速に救助できました」とオペレーターは語った。
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