実装ラインの奥には、完成したメイン基板を検査する基板検査作業と基板分割作業を行うエリアがある。ここでは、一品一様のモノづくりにおいてキーとなる小ロット生産に対応できる自動化を双腕ロボットで実現していた。
基板検査作業のエリアでは、これまで人が行っていた小ロットの基板検査作業に関し、双腕ロボットを用いて複数機種の基板を同時に検査するシステムを構築。人が使用する検査設備や冶具をそのまま利用でき、カメラによる画像認識によりモニターに映し出される試験結果のOK/NGの文字を把握し、OKであれば基板をラックに格納し、NGであれば再検査するといった動作を実現する。ロボットアームの場合、複数機種の基板を扱う際にハンドツールを取り換える必要があったが、腕が2本ある双腕ロボットを用いることで手間を軽減。さらにロボットと検査装置との間に配線がないため、別の場所に移動して使用するといったことも可能だという。
基板分割作業においても双腕ロボットを活用。こちらは人手不足解消を目的とした将来的な人との協働を視野に、ロボットアームと連携した作業を実現していた。この工程では基板の不要部分をカットし、ラベルをのりで貼り付けて箱詰めをする一連の作業を、双腕ロボットとロボットアームが連携しながら行っていた。例えば、ロボットアームが境界部分で動いているときは、双腕ロボットは動きを停止するなど安全に配慮した動作を行うようになっている。
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