ユニバーサルロボット(以下、UR)は2019年6月18日、同社製協働ロボットの利用イメージをブラウザ上で確認できる無償ツール「アプリケーションビルダー」の日本語版を提供すると発表した。
ユニバーサルロボット(以下、UR)は2019年6月18日、同社製協働ロボットの利用イメージをブラウザ上で確認できる無償ツール「アプリケーションビルダー」の日本語版を提供すると発表した。同ツールではユーザーのニーズに合致したロボットやハンドなどの選定を支援し、仮想空間上でのシミュレーションや実機に利用できるサンプルプログラムの提供を行う。
同日に開催された会見の冒頭、URで北東アジア担当ゼネラルマネージャを務める山根剛氏が同社ビジネスの概況を説明した。山根氏はロボット業界について「2018年後半から受注の落ち込みが激しい」と不透明感が広がりつつあるとしつつも、同社が得意とする協働ロボット分野では「勢いがますます増しているように感じる」との認識を示した。
また、同社では既存顧客からのリピートオーダーが増加傾向にあるとして、「(既存顧客が)複数台を購入する動きもある。一方で新規顧客もこれから導入しようとする動きもあり、協働ロボット市場の広がりを感じている」(山根氏)という。
続いて、同社テクニカルサポートエンジニアの西部慎一氏がアプリケーションビルダーの機能を概説した。
ブラウザ上で動作する同ツールは、協働ロボットの導入を希望するユーザーが対象となる。ユーザーはロボットの利用用途(アプリケーション)やロボット、ハンドの種類などについて一問一答形式で同ツールに入力する。現在、同ツールが対応するアプリケーションは、「マシンテンディング」「ねじ締め」「パッケージング」の3種類だ。また、使用するロボットやハンドの種類などが未定であっても、ツール上で選定のヒントが確認できる。
入力された情報を基に、同ツールはロボットの動作シミュレーションを実行する。このシミュレーションでは「実際にプログラムが作成され、シミュレーターはこのプログラムを実行している」(西部氏)とし、シミュレーション結果はブラウザ上で確認が可能だ。シミュレーション結果や作成されたサンプルプログラム、手順書はユーザー登録後にダウンロードできる。
同ツールについて、西部氏は「まずは協働ロボットを導入するイメージをつかむために使ってもらいたい。また、現場がロボットを導入したくとも経営層が導入に難色を示すことも多い。この場合、シミュレーション結果が経営層への説得材料となる。こういう意味でも役に立つと考えている」と語る。
同ツールの英語版は2018年9月から日本語版に先行して提供されていたが、「顧客からかなり反響があった。商談も具体的に話が進められるため、営業ツールとしても有用だった」(西部氏)とする。今後、同社は対応するアプリケーションを増やすなど同ツールの機能を拡充させる方針だ。
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