ユニバーサルロボットが同社の協働ロボットに対応するオプションのエコシステム「UR+」の国内デペロッパーを対象とするワークショップを開催。これまで欧州で2回、米国で1回開催されているが、アジアでは初となる。現時点で、国内デペロッパーが開発したUR+関連製品は販売されていないが、早ければ2019年初の市場投入が予定されている。
ユニバーサルロボットは2018年9月11〜12日の2日間、東京都内において、同社の協働ロボットに対応するオプションのエコシステム「UR+」の国内デペロッパーを対象とするワークショップを開催した。これまで欧州で2回、米国で1回開催されているが、アジアでは初となる。現時点で、国内デペロッパーが開発したUR+関連製品は販売されていないが、早ければ2019年初の市場投入が予定されている。
協働ロボットで高シェアのユニバーサルロボットは、ロボットアームのみを手掛けている。協働ロボットがモノをつかむためのグリッパーや、目となるビジョンシステムなどは自身で提供していない。その一方で同社は、ロボットアームの仕様やインタフェースをオープンにして、それらに準拠するオプション製品群をUR+として認定している。同社 UR+ 開発サポートマネジャーのヤコブ・ボム・マドセン(Jacob Bom Madsen)氏は「ユニバーサルロボットにとってUR+は事業戦略の一環となっている。当社とユーザーによるWin-Winではなく、当社とUR+デペロッパー、ユーザーによるWin-Win-Win、3つのWinが重要だと考えている」と語る。
UR+デペロッパーとして製品を開発している企業数は約380社にのぼる。これらのうち10〜15社が国内企業だ。既に105のUR+製品が発表されているが「国内デベロッパーによる製品はこれからになる。ユニバーサルロボットとしては日本市場を重視しており、UR+も活発に開発してもらいたいと考えている」(マドセン氏)という。
また、2018年7月に10年ぶりの新製品となる「e-Series(eシリーズ)」を投入したこともUR+の開発を加速する要因になるとみている。eシリーズは、ロボットアームの先端にフォース/トルクセンサーを内蔵していたり、UR+製品とつなげるためのシリアル通信ポートがロボットアームの先端にあったりなど、従来品よりもUR+を開発しやすくなっている。マドセン氏は「基本的には、既に普及が進んでいる従来品と、新製品であるeシリーズの両対応が必要になるが、eシリーズの投入はUR+開発のいいきっかけになる」と説明する。
なお、UR+はソフトウェア面での開発がしやすいことが特徴となっている。ユニバーサルロボットの協働ロボットと連携するためのプラグインを簡単に作成することができ、それをUR+製品側でも容易に組み込めるようにしている。同社の協働ロボットは従来品とeシリーズという2つのラインアップがあるものの、UR+のAPIは共通なので別々にソフトウェアを開発する必要はない。「一番早い例では1週間で開発を完了したこともある」(マドセン氏)。
今回のワークショップには国内デベロッパーが約5社参加した。マドセン氏は「日本発のUR+は、国内だけでなく海外市場にも展開できるだろう。日本の自動化関連企業はパワフルでスキルも高く、世界中から高い評価を受けている。そんな日本からUR+製品が多数出てきてほしい」と述べている。
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