積水化学工業は2019年6月17日、航空機やドローン向けのCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を手掛けるAIM Aerospaceグループを買収したと発表した。買収費用は5億1000万ドル(約561億円)。モビリティ材料の事業拡大や基礎技術の強化につなげる。自動車や航空機などモビリティ材料領域において、2025年度に売上高2000億円以上を目指す。
積水化学工業は2019年6月17日、航空機やドローン向けのCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を手掛けるAIM Aerospaceグループを買収したと発表した。買収費用は5億1000万ドル(約561億円)。モビリティ材料の事業拡大や基礎技術の強化につなげる。自動車や航空機などモビリティ材料領域において、2025年度に売上高2000億円以上を目指す。
AIM Aerospaceグループは、1988年に設立された。従業員数は1100人で、2018年の売上高は1億7850万ドル(約193億円)だった。生産拠点は米国ワシントン州シアトルに2カ所、アイオワ州オレンジシティーに構える。製品としては航空機向けの空調ダクトや内装接合部材、外装部材、エンジン部材、ドローン向けの外装部材を手掛ける。積水化学工業は耐火、難燃の発泡樹脂製品、金属コート炭素繊維、成形用プラスチックシート、熱可塑性CFRPにおいて、AIM Aerospaceグループとのシナジーを見込む。
積水化学工業はAIM Aerospaceグループが有する複合材料関連の技術と航空機業界での実績を取り込み、自動車やインフラ、建築など向けに展開してきた製品群を航空機市場で拡販する。また、自動車やインフラ、建築向けのグローバルな販売網を生かし、AIM Aerospaceグループの製品を展開する。
積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーでは「車両・輸送」を重点分野とし、合わせガラス用中間膜や発泡樹脂材料など自動車向けの製品を手掛ける。また、同社の環境・ライフラインカンパニーでは機能材料を戦略分野と位置付け、航空機向けの成形用プラスチックシートを生産、販売する。両カンパニーの経営資源を融合し、モビリティ向け材料の事業拡大に取り組んでいる。
航空機は新造機の受注残が豊富で、航空機向けの材料市場は安定して拡大すると見込まれる。物流分野などでドローンの普及も進む見通しだ。自動車も、グローバルでの生産台数拡大や多機能化や高機能化によって、材料市場も安定して推移するとしている。
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