三菱電機が米国スタートアップ企業Realtime Robotics(RTR)へ出資する。同社の産業用ロボット「MELFA」シリーズとRTRのモーションプランニング技術を融合させ、新たな産業用ロボットシステムの開発を目指す。
三菱電機は2019年5月8日、産業用ロボットの高い安全性と生産性を早期に両立するため、独自のモーションプランニング技術開発に取り組む米国のスタートアップ企業「Realtime Robotics(RTR)」への出資を発表した。2020年までにRTRの技術を活用した新しい産業用ロボットシステムの開発を目指す。
三菱電機の産業用ロボット「MELFA」シリーズは、ビジョンセンサーや力覚センサー、独自のAI(人工知能)技術「Maisart(マイサート)」を搭載。高速かつ高精度に対象物の位置を認識し、把持や組み付けをする「ピックアンドプレース」制御を可能にし、さまざまな人作業の代替設備として活用されている。
今回の出資により、MELFAシリーズとRTRのモーションプランニング技術を融合させることが可能になる。モーションプランニング技術とは障害物など制約の中で最適な経路を生成する技術のことで、産業用ロボットが作業環境の変化をリアルタイムに認識し、障害物を高速かつ滑らかに回避できるようになる。
例えば、整列していない部品を認識して的確につかむばら積みピッキング作業や、ロボット周辺の作業環境をセンサーで取得し、動作経路上の障害物を認識、回避して動作を継続するなどが可能になるとしている。
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